1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550042
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Research Institution | University of Osaka Prefecture |
Principal Investigator |
佐々木 亘 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (30081300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒沢 宏 大阪府立大学, 工学部, 講師 (80109892)
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Keywords | 希ガスエキシマレーザー / 真空紫外レーザー / 放電励起 / エキシマ / エキシマスペクトル |
Research Abstract |
昨年度、10気圧耐圧のレーザー管を設計ならびに製作したが、本年度はアルゴンガスを数気圧までの範囲で充填し、電子密度を測定した。本研究の様な高気圧放電では予備電離が極めて重要となってくる。予備電離方式としてコロナ放電を試したところ、均一放電に必要な10^8cm^<-3>より一桁少ない10^7cm^<-3>以下の電子密度しか得られなかった。従って、コロナ放電以外の方式を採用すべきであることを明らかにした。 次に、放電励起によるアルゴンエキシマの生成機構を詳しく調べ、アルゴンエキシマの連続スペクトルは90nmから146nmの広い範囲に亘っており、これは電子ビーム励起で得られるものよりかなり広いことを明らかにした。さらに、連続スペクトルの強度は126nmで最大値を持ち、その最大値はガス圧の上昇とともに急激に増加し、圧力をPとしてP^<1.2>の圧力依存性を示すことを明らかにした。 レーザ発振を得るためには、エキシマ状態の一重項と三重項の混合過程が重要であることから、この過程について詳しく調べた。その結果、アルゴンガスの圧力によって変わり、1気圧以下の低圧力領域では、電子衝突によって三重項状態から一重項状態へのエネルギー移行が生じること、および1気圧以上の高圧領域では基底状態にあるアルゴン原子との2体衝突が重要であることを明らかにした。混合過程の実験結果から推測させる放電プラズマ中の電子密度は10^<10>cm^<-3>であり、電子ビーム励起の場合よりかなり小さい値である。 レーザー発振における共振器鏡の開発も併行して行い、高反射率、高損傷耐力の点から見て、SiC-CVD膜とMo単結晶が良いことを明らかにした。 以上の成果を得たことにより、希ガスエキシマ生成のダイナミクスに関する足掛かりをつかんだことになり、次の利得測定への基礎を得た。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 佐々木亘: Short-Wavelength Lasers and Their Applications. 316-323 (1988)
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[Publications] 佐々木亘: レーザー研究. 16. 200-208 (1988)
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[Publications] 黒沢宏: Physics Letters.