1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550044
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
太田 裕文 名古屋大学, 工学部, 講師 (00023317)
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Keywords | 飛行制御 / ロバスト制御 / ディジタル制御 / パラメータ同定 / 能動制御 |
Research Abstract |
飛行制御系は, 飛行動圧や形態変化に伴う大きなパラメータ変動を受ける環境下で運用される. 従って本年度はまず, 制御対象モデルの不確かさを考慮したロバスト制御法則の設計法につき考察した. この理論検討により, ロバスト性を有する制御系設計のための評価関数重み係数を決定するアルゴリズムを開発し, 更に閉ループ系の極配置に関する新たな知見を得た. これらの結果に基づき, 計算時間遅れやアクチュエータの遅れを考慮したディジタル飛行制御則の検討を行った. その結果, 低サンプリングレイトでも使用可能な離散形PI制御則を構成し, 良好なシミュレーション結果を得た. この制御系は一定外乱下でも定常偏差零で目標値に追従し, しかもトリム状態変化にも対処できるものである. 上記理論研究と併行して風洞実験準備も進められた. まずスパン1.4mの供試模型飛行機と, 鉛直面内に運動可能な模型支持装置を設計・製作し, 作動テストを実施した. また搭載計器である加速度計, 角速度計, 舵面変位センサ, 姿勢角センサの信号テストを行った. 加速度計と角速度計には大きなノイズが混入するため, ローパスフィルタを通して高周波ノイズを除去した. また出力調整アンプを製作し, ディジタル信号処理に適するよう全ての測定値を±5Vの範囲に調整した. これらの検討の結果, 良好な測定値を得ることができ, パラメータ同定手法を使って, 現在, 入出力データからの安定微係数の推定作業を実施している. 来年度はこれらのパラメータ推定値を使い供試模型機の数学モデルを確定し, ディジタル制御則を使った制御実験を風洞で実施する予定である.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 太田裕文: 第4回宇宙航空の誘導制御シンポジウム講演集. 67-70 (1987)
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[Publications] 太田裕文: 昭和62年度宇宙輸送シンポジウム. (1988)
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[Publications] 藤森篤: 計測自動制御学会論文集. 24. (1988)
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[Publications] 太田裕文: 計測自動制御学会論文集. 24. (1988)