1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550045
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
林 光一 名古屋大学, 工学部, 講師 (60156437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 俊隆 名古屋大学, 工学部, 教授 (90023225)
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Keywords | スクラムジェット / シラン / 酸水素着火 / 化学反応 / モデリング / 衝撃波管 / 混合 / ジェットインジェクション / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
スペースプレーンの時代が到来するのもそれ程遠くはないと考えられているようだが、そのエンジンとして考えているスクラムジェットは、燃料の着火、燃焼はもちろん混合などでもまだ十分に研究されていない。本研究では、スクラムジェットの環境である低密度、低温での水素を燃料とした場合の空気との混合気の着火および燃焼機構をまず解明する事を目的とし、前年度では着火性を調べるためにシラン・酸水素混合気の800〜1700Kの温度での着火遅れを測定し、反応機構の開発を着手した。本年度は、NASAのグループが開発したシラン・酸水素混合気の反応機構を調査し、この機構がメタン・酸水素混合気の反応機構を元にしているが故に彼らの低温(800〜1000K)の着火遅れの実験結果とは良く合っているが、他の温度領域は一致しない事を明らかにした。そしてシランの熱力学データ、反応定数並びに反応機構がメタンの場合と全く違うことが判明した。正しいシラン・酸水素混合気の反応機構を開発刷るために、シランの正しい熱力学データを計算して、3の重要な素反応の反応定数を理論適に決定する事が出来た。反応機構全体を解明するには、さらにいくつかの素反応定数を見つけていかなければならない。現在は、シラン・酸素混合気の燃焼で生成されるSiH_2、SiH_3などの測定並びに、まだ正確には見つかっていないSiH_2OやSiHOなどの発見をして反応機構開発の一助としたい。この実験と平行して本年度、スクラムジェットエンジン内で水素をインジェクトした場合の混合、着火を調べる意味で、まず超音速で流れる空気中に垂直にヘリウムをインジェクトした場合の混合の問題を数値シミュレートし、クンジェクトしたヘリウムジェットの上流および下流でいくつかの渦が発生すると同時に低い周波数でジェットが振動することをつきとめた。これらの内容は、国内外の会議で発表されている。
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Research Products
(2 results)