1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550050
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
植村 益次 日本大学, 生産工学部, 教授 (60013611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 宏 日本大学, 生産工学部, 副手 (80193712)
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Keywords | 複合材料 / CFRP / 面内せん断 / 材料試験法 / パンダグラフ法 / 額縁法 / 一方向強化材 / クロス強化材 |
Research Abstract |
先端複合材料は力学的異方性が大きいために, 力学特性試験法は世界的に未だ整備されていない. 特に先端複合材料では, 繊維に直角方向の引張特性と共に, 繊維に沿うせん断特性は, 最重要の因子であるにも拘らず, せん断特性試験が極めて難しいために, 提案も極めて少ない. そこで本研究では, 一般民需用FRPのせん断試験法としてのASTM提案も, 先端複合材料には適用が難しい事情に鑑み, パンタグラフ形額縁法を取り上げる. 従来形の単純な額縁形試験治具では, 四辺枠組中心線の交点を回転支点とするピンがあり, 1対角線上に引張荷重を負荷していた. しかしその試験治具では, 正方形試験領域の外側にピン中心が位置するため, せん断実験を行うと四隅から応力集中によって破壊が発生し, 極めて低いせん断強度しか得られない. また従来形治具による試験領域内の応力分布を有限要素法によって数値計算したところ, 試験領域内の応力分布が不均一で, 四隅近傍には大きな応力集中があることが立証された. そこで従来形治具の四隅のピン位置と試験領域の四隅に一致させた改良形治具を考案した. 先ず有限要素法によって応力分布を数値計算したが, 四隅での応力は中央部よりむしろ小さく, 殆んど正方形領域全域に均一な純せん断変形を与えられることが分った. 次に一方向強化およびクロス強化のCFPR板を用い, 本改良形治具によるせん断破壊が得られ, せん断強さも一方向材では, 従来形治具による値の3倍にも達した. その他本改良形治具では, 四隅でのピンとして割り型のものを考案したこと, また額縁形治具と試験板との間に当て板を入れて, 応力を四辺のつかみ部全体に与えられるようになり, 改良形試験法案の有効性を示すことができ, 面内せん断特性試験法として本法を提案したい. 引続き他の方法との比較検討を行う.
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Research Products
(1 results)