1988 Fiscal Year Annual Research Report
ファインセラミックスの衝撃表面損傷を含む衝撃強度特性の評価に関する研究
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62550061
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Research Institution | Faculty of Junior College of Automobile Industry, Osaka Sangyo University. |
Principal Investigator |
中山 英明 大阪産業大学, 短期大学部自動車工業科, 教授 (90097999)
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Keywords | ファインセラミックス / 窒化ケイ素 / 炭化ケイ素 / 3点曲げ荷重 / 衝撃荷重 |
Research Abstract |
本研究の目的は耐摩耗、耐高温の面で優れた特性を有しながら、靭性の点で弱点を有するファインセラミックスについて、耐摩耗特性の評価も含めながら室温から高温までの衝撃強度特性を明らかにしようとする点にある。本研究の遂行期間は昭和62年度から63年度までの2年間であったが、ここでは第2年度次に当たる昭和63年度の研究実績を報告する。第2年度次における主たる研究課題は高温下での静的および衝撃荷重下での3点曲げ強度データを得ることにあった。2種のファインセラミックスを用いてほぼ当初の研究目的を終えたので、以下、得られた結果の概要を述べる。 代表的エンジニアリングセラミックスとして今後の展開が期待される窒化ケイ素および炭化ケイ素を用いて1200℃までの高温下における静的および衝撃3点曲げ試験を行い、第1年度次に得られた室温下での結果と比較対応することより、強度分布の統計的評価を含む次のような結論を得た。先ず、常圧焼結窒化ケイ素の場合には、いずれの条件下での結果もほぼ正規分布、もしくは2母数ワイブル分布に従い、室温下においては衝撃曲げ強度は静的なそれを平均値で100MPa程度上回り、また強度のばらつきはほぼ同様である。さらに、雰囲気温度の上昇とともに衝撃曲げ強度は低下するが、低下の度合は静的な場合に比べて小さく、1200℃でみると衝撃曲げ強度は静的曲げ強度を約240MPa上回る。こうしたことから、常圧焼結窒化ケイ素は優れた高温衝撃強度特性を有すると結論できる。次いで、反応焼結炭化ケイ素の高温衝撃曲げ強度は、3母数ワイブル分布を用いてのみよく整理でき、そこにおいて反応焼結炭化ケイ素の高温衝撃曲げ強度は平均的にみれば室温下での静的曲げ強度を上回るが、高温下では設計上重要な破壊確率の低いレベルで低強度を示すことが観察された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 田中道七: 材料. 37. 67-73 (1988)
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[Publications] 田中道七: 材料. 38. (1989)
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[Publications] 中山英明: 日本材料学会第38期通常総会講演会前刷り集. (1989)