1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550062
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 一夫 東北大学, 高速力学研究所, 助教授 (30111256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新妻 弘明 東北大学, 工学部, 助教授 (90108473)
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Keywords | 動弾性 / き裂成長 / 弾性波 / アコースティック・エミッション / き裂標定 / 地下き裂 / 地熱開発 / 地下利用 |
Research Abstract |
地下岩体内のき裂成長に伴う放出弾性波の中間領域(き裂からき裂半径の10倍程度離れた領域)での解を求め, 弾性波計測によるき裂評価のための基礎的知見を得た. 解析にあたっては, まず, き裂内の水圧が急増したときの簡易モデル及び, き裂が瞬時に有限長だけ成長するという簡易モデルを構築し, 三次元動弾性論に基づき, フーリエ像空間における, 三次元円板状地下き裂の応答を調べた. 得られた知見を要約すると次のようになる. 1.き裂内の水圧が急増する場合の周方向変位(き裂中心を原点とする極座標系から見た周方向変位)及び周方向速度の周波数スペクトルの形は, 観測位置によらずほとんど変化せず, lw/c_2【similar or equal】.5(l:き裂半径, w:角振動数, c_2:せん断波の位相速度)で極大値をとる. 2.き裂進展に伴い放出される弾性波の周波数スペクトルは, き裂内水圧が急増する場合にくらべ, 高周波数領域において変動が激しくなる点を除けば, き裂内水圧が急増する場合とほぼ類似の特性を有する. 3.き裂の大きさは, 前述のピーク周波数を用いて, l=1.5c_2/wpにより求めることができる. ただし, W_pは実際のき裂放出弾性波の計測結果を周波数解析して得られる周波数スペクトルのピーク周波数である. 4.き裂の大きさの10倍程度以上離れた所における弾性波の周波数スペクトルは, lw/C_2>0.8以上の周波数領域では, 無限遠方解に支配されている. しかし, これ以下の周波数領域では, 本研究で求めた周波数スペクトルと, 無限遠方解のそれとは明らかに異なる. したがって, 変位の時間応答からモーメントテンソルを求めるときには, 無限遠方解を用いることはできない. 現在, 上述の解析から得られた知見を, 一辺が10mの立方体岩石超大型試験片の水圧破砕時のAE解析に適用し, 水圧破砕により作成されたき裂の, き裂評価を実施中である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 林 一夫: 日本鉱業会昭和62年度資源.素材関係学協会合同秋季分科研究会資料. X. 1-4 (1987)
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[Publications] 林一夫,小崎純一郎,阿部博之: 日本非破壊研査協会第6回アコースティック・エミッション総合コンファレンス論文集. 141-146 (1987)
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[Publications] 横内淳吾,新妻弘明,中鉢憲賢: 日本非破壊研査協会第6回アコースティック・エミッション総合コンファレンス論文集. 123-128 (1987)