1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550066
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宇治橋 貞幸 東京工業大学, 工学部, 助教授 (80016675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 忠晴 東京工業大学, 工学部, 助手 (20184187)
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Keywords | 自動車 / 衝突性能 / 薄肉断面曲り部材 / 衝突試験 / 塑性崩壊 / 安全規準 / 有限要素法 / シミュレーション |
Research Abstract |
自動車の安全性確保の観点から現在最も大きな関心をもたれている問題は衝突性能向上である. 乗用車には定められた速度における正面衝突において乗員に働く加速度が規定値以下となるように製造されていなければならないという安全基準がある. この基準を満足させるためにメーカーでは実車を用いた衝突試験を繰り返し試行錯誤的に特性向上を図っている. しかしこの試験には膨大な費用がかかるため試験によらずに衝突性能を評価する方法の確立が強く求められている. その一環として乗用車の衝突時におけるエネルギー吸収を受け持つ主要構造部材の塑性崩壊特性の解明とコンピュータによるシミュレーション法の確立が重要な課題となっている. 本研究では小型車の主流となっている前輪駆動乗用車に用いられている主要構造部材である薄肉断面曲り部材を対象として衝突による塑性崩壊特性を実験およびコンピュータ・シュミレーションにより解明することを試みたものである. 曲り部材にはパラメータとして板厚・断面形状・曲がり角・オフセット量などがあるが, 第一年度においてはオフセット量δと塑性崩壊特性との関係について調べた. 自動車用鋼板(SPC0.6)からハット材と平板をプレス成形レスポット溶接により箱型断面を有する曲り部材をδ=0, 10, 30mmの三種類製作した. この部材を2〜6m/sの速度で衝突試験を行い, 衝突台に発生する衝撃力, 部材に生ずるひずみ変動および部材後部の加速度を測定するとともに写真撮影を行った. 部材前部に発生する衝撃力は衝突速度に比例するが, 部材後部の加速度はδ=30mmの部材では衝突速度が高くなっても大きくならないことが判明した. またシミュレーションについても試計算を行い, 実験結果と一致する可能性のあることを確認した. 他のパラメータの影響および結果の詳細な吟味ならびに有限要素法によるコンピュータ・シミュレーションについては次年度の課題である.
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