1987 Fiscal Year Annual Research Report
超音波による接触圧力測定法の改善と実用化に関する研究
Project/Area Number |
62550069
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
水口 義久 山梨大学, 工学部, 講師 (70020500)
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Keywords | 実験応力解析 / 超音波応力測定法 / 接触圧力 / 探触子 / ボルト結合体 / 積層平板 |
Research Abstract |
機械構造物の結合部分の合理的な強度設計を行うには, 結合面における実際の接触圧力分布状態を正確に把握することが非常に重要である. 本研究では, 接触面における超音波の反射波特性を利用し, 二層からなる長方形板, 有孔円板および管フランジがボルト結合された状態にあるこれら結合面の接触圧力を, 定量的に測定する方法を検討した. 次に行った実験と得られた結果を示す. 1.接触圧力を定量的に測定するために, まず探触子が取付けられた種々の接触部表面あらさを有する較正ブロックを圧縮し, 接触圧力と接触面におる反射波音圧と透過音圧の差との関係からなる較正曲線を求めた. 得られた較正曲線はほぼ直線になり, しかも接触部表面あらさの差による較正曲線への影響は少ないことがわかった. 2.二層からなる長方形板, 有孔円板および管フランジをボルト結合した状態において, 一方の板上に取付けた探触子によって接触面における反射波音圧と透過波音圧の差を読み取り, これらの測定結果を較正曲線の結果と比較して接触圧力分布を算出した. そして実験結果を解析結果に基づいた計算結果と比較検討した所, 両結果がかなりよく一致することがわかった. 3.板厚が同じ場合, 接触面における反射波音圧のエコーと透過波音圧が重なり, 透過波音圧の測定ができない. 現段階では, 本測定法は板厚が異なる平板間の接触圧力測定にのみ利用可能である. 4.以上の結果より, 積層平板における結合面の接触圧力を定量的にしかも簡単に測定できるメドがついた. 今後は板厚が同じ積層平板の接触圧力測定法を検討し, 実用性の向上を計りたい.
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