1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550071
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
本間 寛臣 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (70016583)
|
Keywords | 加圧熱衝撃 / 動的破壊靭性 / 数値ラプラス変換 / I積分 |
Research Abstract |
原子炉圧力容器に内圧が作用し, その内面が緊急冷却水の散布を受ける, いわゆる加圧熱衝撃下のき裂進展挙動を明らかにする目的で, 熱衝撃下の動的破壊靭性を高い信頼度で計測するシステムの開発を試みた. 開発過程で得られた成果は以下の通りである. 1.高精度は数値ラプラス変換法の確立: ラプラス変換法とフーリェ変換法の類似性を利用して, 高速フーリェ変換法のアルゴリズムを数値ラプラス変換法に適用することにより, 複雑な時間歴をもつ物理量も精度よく変換することが可能となった. 2.修正工積分法の確率: 試験片外周上の5ヶ所における応力, 変位, 温度の時間履歴を測定することにより, 温度場の影響を考慮した修正工積分を十分な精度で算定できることが明らかになった. 3.動的破壊靭性計測システムの開発: ひずみゲージ, 位置検出素子と光ファイバーを組み合せた高速応答変位計ならびに熱電対を用いた応力, 変位, 温度の計測結果から高速進展中のき裂先端における動的応力拡大係数を計測し, 十分合理的と思われる結果を得ることができた. しかしながら, 数値ラプラス変換された応力, 変位ならびに温度から修正工積分を求め, その平方根を数値ラプラス逆変換して動的応力拡大係数を算定するとき, 複号をもつ複素数の平方根を取り扱わなくてはならず, 複号のうちのいずれか一方の符号を選定することが重要な問題であり, 今後の課題となった. 上記の点を除けば, 本研究で開発した測定システムは温度場も含めた動的応力拡大係数すなわち動的破壊靭性値の測定を高精度で与えることが明らかになった.
|