1988 Fiscal Year Annual Research Report
微小き裂伝ぱ則に基づく繰返し硬化・軟化型材の低サイクル疲労寿命評価
Project/Area Number |
62550080
|
Research Institution | Department of Mechanical Engineering, Faculty of Engineering, Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
原田 昭治 九州工業大学, 工学部, 教授 (80029199)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 良博 九州工業大学, 工学部, 助手 (40156774)
|
Keywords | 疲労 / 低サイクル疲労 / 疲労寿命予測 / 微小き裂伝ぱ則 / 繰返し効果 / 軟化型材 / Miner則 / Manson-Coffin則 |
Research Abstract |
1.本年度は繰返し硬化挙動を示すSUS304材を用いて二段二重ひずみ振幅下の疲労試験を行い Miner則の成立について検討した。特に、ひずみ振幅切換後の二段目のき裂伝ぱ挙動を中心に観察し、き裂伝ぱ速度におよぼすひずみ振幅履歴の依存性を検討した結果、一定ひずみ振幅下疲労試験では認められなかったき裂伝ぱ速度におよぼすひずみ振幅の影響が認められた。特にひずみ振幅大→小に切り換えた場合、き裂伝ぱ速度に大きな履歴の影響が現れるのが確認された。予定したランダムひずみ振幅下の疲労試験は今年度中には実施できなかったが、現在パソコンを用いてランダムひずみ振幅下の疲労試験が可能なシステムを構築中である。 2.Rainflow法を適用して繰返し特性を考慮した微小き裂伝ぱ則および破断寿命予測評価式は、現在ではまだ導出できていない。しかし、繰返し硬化・軟化挙動を示す材料を用いて疲労寿命をき裂伝ぱの立場から検討した結果、一定振幅下の場合には繰返し途中で軟化および硬化挙動を示す材料でも、破断寿命の1/2の繰返し数の材料特性(応力-ひずみ関係)を用いることにより、繰返しに安定な材料と同様の取扱で疲労寿命をき裂伝ぱの立場から説明できることを示した。 3.バソコンおよび画像処理装置を利用した自動き裂追尾装置の開発を完成し、同装置を用いてSUS304材の主き裂および主き裂先端近傍の分布き裂の発生・伝ぱ挙動さらにはき裂先端近傍の組織変化量を測定した。その結果、き裂成長の追跡が効率化されたばかりではなく、き裂先端部の組織変化、微小分布き裂の発生・成長の情報を自動的に収集して統計学的に処理することが可能になった。今後、同装置利用により、微小き裂発生・伝ぱ挙動を統計学的立場から解析しうる道が開かれるものと期待される。
|
Research Products
(2 results)