1987 Fiscal Year Annual Research Report
組織制御されたTi-6Al-4V合金の水素脆性挙動
Project/Area Number |
62550082
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
大久保 忠恒 上智大学, 理工学部, 教授 (60010774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 啓史 上智大学, 理工学部, 助手 (30154579)
白砂 洋志夫 上智大学, 理工学部, 助手 (90053652)
野末 章 上智大学, 理工学部, 助教授
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Research Abstract |
Ti合金の初析の相と, これを囲む残留β相・α相の量比, 母相組織, 母相の形状, 初析のα相の粒径等の組織パラメータを溶体化処理によって変化させ, CT(コンパクトテンション)試験片を用いて, 陰極電解により水素を吸蔵させながら一定の荷重を負荷する水素脆性試験を行った. 水素脆性感受性の評価値としては, 疲労のパリスの式から破断時間を求める方法とほぼ同様の方法で, き裂進展の第II領域での破断時間Tfを用いた. その結果, 初析α相の量が多く, 粒径が大きく, その周囲にβ相が十分かつ連続的に存在している組織において, 水素脆性感受性が高いことが明らかとなった. 破断後の試験片の破面においては, 初析α相に対応した場所でへき開割れを呈していた. 母相部はディシプルまたはヌルテンサイト境界割れを呈していた. 以上の結果より, 水素胞性感受性が高いことが明らかとなった. 破断語の試験片の破面においては, 初析α相に対応した場所でへき開割れを起こし, その後リガメント部の母相が破断する. 以上の過程が繰り返されることによってき裂は進展すると考えられる. このことは, 各相の拡散係数の測定, 水素化物の同定, へき開面の面指数などの同定を行うことにより, 確証されると考えられる.
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