1988 Fiscal Year Annual Research Report
ダイヤモンド工具によるセラミックスの高速マイクロ切削にける雰囲気効果
Project/Area Number |
62550090
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
杉田 忠彰 金沢大学, 工学部, 教授 (70019769)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 誠 金沢大学, 工学部, 助手 (00189250)
上田 隆司 金沢大学, 工学部, 助教授 (60115996)
上田 完次 金沢大学, 工学部, 教授 (50031133)
|
Keywords | セラミックス / 高速マイクロ切削 / ダイヤモンド工具 / 加工雰囲気 / 部分定化ジルコニア |
Research Abstract |
セラミックスの利用範囲が急速に拡大するにともない、その加工性の改善が急務とされている。本研究申請者らは、これまでダイヤモンド単刃工具を用いて高速マイクロ切削を行うことにより脆性破壊による材料除法ではなく塑性変形型の切りくず生成による超精密切削加工が実現できることを明らかにしてきた。しかしながら、このような高速マイクロ切削加工を実用化のレベルで議論するには、ダイヤモンド工具の高温下での酸化あるいは黒鉛化などによる摩擦の増大が大きな支障となる。そこで、本研究では、切削加工点近傍の雰囲気を適切に制御することにより、工具の耐摩耗性の維持と長寿命化をはかることを目的としている。 昭和63年度は昭和62年度に引き続き、次のような研究を行った。 まず、雰囲気制御容器に超精密スピンドルおよび微小切込み装置を用いて、大気を遮断した高速マイクロ切削試験装置を開発した。スピンドル系の静剛性は4.0Kgf/μm、送り系の静剛性は1.2kgf/μmである。 次に、部分安定化ジルコニアセラミックスを被削材として、マイクロ切削実験を行った。周速50/min、送り速度12μm/revの切削条件で、仕上げ面あらさが0.1μm以下となり、良好な結果が得られた。 また、灯油、水溶性切削液、蒸留水、界面活性剤の各種加工液中でマイクロ切削実験を行い、雰囲気の影響を調べた。比較のために乾式切削も行った。その結果、乾式切削の場合は切削速度の増加ともに急激に逃げ面摩耗が進行するのに対し、灯油、蒸留水、水溶性切削液では摩耗の進行が抑制されることが明らかにされた。しかし、界面活性剤では摩耗の速度依存性がなく抑制効果も認められなかった。 さらに、走査型電子顕微鏡観察により、切りくず生成機構が金属切削に類似した塑性変形によるものであることが明らかにされた。
|
Research Products
(2 results)