1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550091
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
岡田 勝蔵 山梨大学, 工学部, 助教授 (50020409)
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Keywords | すべり軸受 / 複合材 / キャラクリリゼーション / 炭素維繊 / 超高真空 / すべり摩擦 |
Research Abstract |
比重が異なり, ぬれにくく, そのうえ合金化しない粉末を金属内に約一分散した軸受用複合材を作成し, それらの性能評価を行なうとともに, すべり摩擦で生ずる表面のキャラクタリゼーションを行なうことを目的とする. 本年度は以下に述べる2件を検討した. (1) 矩炭素繊維含有アルミニウム合金複合材について, 炭素繊維含有量, 繊維配向, 接触荷重がすべり摩擦に及ぼす影響を調べた結果は次のとおりである. 複合材の硬さは15%の炭素繊維量で最大となる. 摩擦係数は繊維配向により異なる. 繊維軸が摩擦面に平行に配向したP面の摩擦係数は繊維軸が摩擦面に垂直に配向したN面の摩擦係数より小さい. 摩擦係数の最小値はほぼ0.2である. N面の摩擦係数は0.15MP_9までほぼ一定であり, それ以上の接触荷重で増大する. また, 複合材の強度は15%の炭素繊維含有まで増大するが, それ以上の含有率では空孔率が急激に増大するため, 強度は低下する. (2) すべり摩擦で生ずる凝着摩耗に関する基礎研究について, ダイヤモンドと各種金属の組合わせで生ずる移着現象を走査型オージエ電子顕微鏡内ですべり摩擦し, その場で表面分析を行なうことにより検討した. 摩擦条件は低速(0.01mm/sec以下), 低荷重(50g以下)である. その結果, 金属が炭素と炭化物を生成しやすいか否かにより分類できる. まず, 炭化物生成傾向が小さい場合, 超高真空下での摩擦は金属内部が表出する. これらはAe, Ag, Mg, Znなどおよびそれらの合金について確認した. 尚, 合金の表面組成はバルク内部のものに対応することも確かめられた. 次に, 炭化物生成傾向が大きい組合わせの場合, 金属のすべり摩擦表面には炭素が確認できた. Fe, Cr, Co, ステンレス銅などがこれらに属する. しかし, 摩擦を行なう前処理として, 合金の表面組成はバルク内部のものに対応することも確かめられた.
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Research Products
(2 results)