1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550106
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中原 綱光 東京工業大学, 工学部, 助教授 (80016625)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
京極 啓史 東京工業大学, 工学部, 助手 (70153236)
|
Keywords | すべり軸受 / 濡れ / 流体潤滑 / 油膜破断 / 境界条件 / 樹脂 / コーティング / 試験装置 |
Research Abstract |
本研究は, 漏れ性が最も関係し, しかも流体潤滑の境界条件となる油膜破断部に着目して, その気液界面の挙動に及ぼす漏れ性の影響を調べることを目的とし, 本年度は一環の研究を行なった. 1.円筒・平板型実験装置を用いた実験・・・金属性円筒とガラス平板を用いた実験装置を作製し, ガラス表面に, 透明なFEP(4ふっ化エチレン6ふっ化プロピレン)樹脂, PUdF(ふっ化ビニリデン)樹脂のコーティングを施し, 円筒平板間の隙間, 円筒回転速度を変化させて, 油膜破断気液界面の位置, 形状(すじ状流れの間隔, すじ長さ)を測定した. 2.ジャーナル軸受型実験装置を用いた実験・・・ステンレス製軸とガラス円筒製軸受を用いた実験装置を作製し, 軸表面とガラス円筒内面にそれぞれFEP樹脂のコーティングを施したものと, 施していないものとを使用して, 軸受の偏心立, 軸回転速度を変化させて, 油膜破断位置, 形状及びその安定性を測定した. 以上の研究より本年度に得られた結果をまとめると以下の通りである. 1.軸受(固定面)の漏れ性は油膜破断部に及ぼす影響力が大きく, 軸(移動面)の漏れ性は影響力が小さい. 2.漏れにくい軸受面(固定面)を持つ軸受を用いると, 軸回転速度(すべり速度)の変化に対して, 油膜破断部の挙動にはヒステリシス現象が現れる. 3.漏れにくい軸受面では, 油膜破断部は安定化する傾向にある. 本年度の成果を踏まえて, 今後の展開としては以下の事が考えられる. 1.漏れにくさの度合い(漏れ角など)を用いて, 定量的な扱いを考える. 2.漏れ性の影響がより強く現れると考えられる, 動荷重下の軸受特性に及ぼす油膜破断部の挙動について, 漏れ性の影響を考慮した取扱いを考える.
|