1987 Fiscal Year Annual Research Report
極度に非平衡な高速空気プラズマ流中の放射エネルギー移動の研究
Project/Area Number |
62550121
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
白井 紘行 群馬大学, 工学部, 教授 (00008509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田部井 勝稲 群馬大学, 工学部, 助手 (80008466)
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Keywords | 空気プラズマ / 非平衡放射 / 衝撃波 / 衝突放射過程 / アブレーション / SL3N4 |
Research Abstract |
極度に非平衡な高速空気プラズマ流中の放射エネルギー移動の研究において重要な分野, すなわち空気プラズマ中の反応, 主成分であるN_2プラズマ中の分子と原子に対する衝突, 放射過程と非平衡放射の計算, 衝撃波背後の緩和現象および放射加熱に対する防御技術について基礎的研究を行った. 1.空気プラズマ中で最も重要な反応は二原子分子の解離反応である. この反応に対して最近提案された非平衡反応速度定数の妥当性を実験的に検討した. すなわちMaecKer型プラズマ発生装置内の電子密度をその反応定数を用いて計算し実験と比較するとよく一致し, その妥当性が確められた. 2.N_2プラズマからの放射を厳密に計算する手順を示し, 各部分での問題点を探った. すなわち, プラズマ条件が与えられてから最終的に非平衡放射エネルギー分布を計算するまで二重粒子間の衝突断面積, 励起準位間の遷移に対する衝突断面積, フランクコンドン因子など基本的物理量のデータが不足していることを指摘した. またこの方法による理論的非平衡放射エネルギー分布は上記装置による実験的分布をかなりうまく予測できることが判った. 3.強い衝撃波背後の非平衡緩和領域におけるN_2プラズマの挙動を初めて三温度モデルにもとづき数値計算し, 部分的に既存の実験と比較した. 緩和の初期, すなわち非平衡度の極めて強い領域では分子振動温度と電子温度の分離が発生した. またこの領域からの放射は平衡に近い領域からの放射と比較して桁違いに強いことが判った. 4.宇宙船まわりの強い衝撃層からの放射加熱を防御する有効な手段であるアブレーション法のアブレーション材料として新セラミックSi_3N_4を用いると, その放射吸収特性はほとんどSi原子の光電離に依存し, 高エネルギー光の吸収には大変有効であることが判った.
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[Publications] H. Shirai: Proc. ′86 Symp. on Mechanics for Space Flight (ISAS Report SP). 155-163 (1987)
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[Publications] H. Shirai: Proc. ′87 Symp. on Mechanics for Space Flight (ISAS Report SP).
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[Publications] K. Tabei: Heat Transfer Japanese Research.
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[Publications] 白井紘行: 日本航空宇宙学会誌.