主流中の伝ぱ音に対する乱流境界層応答(音響平均流効果)

1988 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 62550122
• Research Institution: Saitama University
• Principal Investigator: 川橋 正昭 埼玉大学, 工学部, 教授 (70008853)
• Keywords: 音響流 / 二次流 / 熱音響二次流 / 定常波 / 境界層 / ボルテックス・チューブ / 旋回波

Research Abstract

本年度は、主流中の伝播音により誘起される境界層内音響平均二次流の特性を明らかにするため、その基礎となる矩形ダクト内定常波による音響二次流の、可視化および変動流速分布計測による確認と、気流を伴うダクト内伝播音が誘起する音響二次流による流速分布の変化について調べた。さらに、前年度に引続き高速旋回流中の発生音によって誘起される音響平均二次流の解析方法について検討した。得られた成果は以下の通りである。
1.ダクト内伝播音により生じる音響二次流 はじめに、気流が存在しないときの、矩形ダクト内の定常波による音響二次流の存在を、煙を充満したチューブ内のレーザビームスイープ法を用いたシート光による可視化と、振動流流速分布の計測とその測定データの数値処理などにより確認した。その結果、定常波のモードと一致する循環流構造が確認されたが、Rayleighの二次元解析で得られたパターンとは異なり非対称になること、流速計測から得られた定常流速値は、いままでになされた理論的見積り値より大きいことなどが明らかになった。つぎに、気流を伴うダクト内の音響二次流については、その存在により境界層流速分布が変化することなどが明らかになった。さらに、この研究に関連して、今後用いる予定の空力学的発音源についての基礎研究を行ない、発音メカニズムを明らかにするとともに、最適作動条件の予測がなされた。
2.高速旋回流中の音響平均二次流の解析 カウンターフロー型ボルテックスチューブ内に生じるホイッスリング現象が誘起する音響平均二次流について、ホイッスリングの周波数、音圧レベルの変化、流速分布の計測などを行なうとともに、その特性の解析方法を検討した。解析では、実測された流速分布を旋回基底流モデルとして、軸方向速度の存在と音響二次流の関係などについて検討した。

Research Products

• [Publications] 川橋正昭 他: 日本機械学会論文集 B編. 54. 382-386 (1988)
• [Publications] Kawahashi,M.;et al.: Fluid Dynamics Research. 3. 369-375 (1988)
• [Publications] 川崎正昭: 日本機械学会論文集.