1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550139
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Research Institution | Numazu College of Technology |
Principal Investigator |
松沢 照男 沼津工業高等専門学校, 電気工学科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福嶋 孝義 信州大学, 医学部心脈管研究施設病態解析部門, 助教授
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Keywords | 物質移動 / 流れの可視化 / 有限要素法 / 馬蹄形渦 / 動脈瘤 / 応力解析 / 血管分岐部 / 壁ずり応力 |
Research Abstract |
1.透明血管標本の流れの可視化による流れのパターンの観察:透明化処理したヒトの頚動脈分岐部の可視化実験をした。定常流ては分岐部手前に馬蹄形渦が発生していること、そして、分岐起始部の外側壁では流れの剥離が起こり得ることなどが明らかになった。拍動流については、加速期では分岐上流は壁に沿う流れになっているが、分岐頂点にさしかかると、2つの枝管に流れ込む。最大流量ては、分岐の頂点を回り込むU字型の流れになり、枝管の壁にそった逆流が発生し、馬蹄形渦を生成する。この馬蹄形渦は減速相でもでも認められた。このパターンは定常流に似たパターンになった。しかし、外頚動脈の外側壁での流れの剥離は認められなかった。むしろ外頚動脈の形状に起因した剥離が内側の壁に見られた。 2.有限要素法を用いた数値計算: (1)流れの数値計算:軸対称動脈瘤モデルを通過する拍動流について有限要素法を用いて数値解を求めた。流れのパターンは可視化実験とよく一致した。最大流量のとき、瘤出口端の上流に負の最大壁ずり応力、下流に正の最大壁ずり応力が発生した。: (2)血管壁応力場の数値計算:血管分岐ぶ管軸に垂直な断面の管壁内の応力解析をした。血管形状を円形から楕円形を経て亜鈴型に変化させると、楕円形あるいは亜鈴形ともに長い軸上では内側が正の主応力、外側が負の主応力になった。しかし短軸上では楕円形では内側が正の主応力になっているのに対し、亜鈴型では負の主応力になった。また、動脈瘤について有限要素法で得られた速度場と圧力場を使って、管壁内の応力分布を求めると、瘤の入口端、出口端、中心部に応力集中がみられた。また、瘤の中心部と出口端の中間の壁内では、大きなずり応力が発生していた。 3.血管を通過する流れによる壁内の応力分布が、血液血管壁の物質移動に影響を与え、血管病変の発生と進展させうることが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 松沢照男: 第1回バイオメカニクスカンファレンス講演論文集. 90 (1988)
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[Publications] Takayoshe FUKUSHIMA.: Biorheology.
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[Publications] Teruo MATSUZAWA.: Biorheology.
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[Publications] Teruo MATSUZAWA.: J.Biomechanics.
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[Publications] Teruo MATSUZAWA.: J.Biomechnics.