1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550146
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
斎藤 彬夫 東京工業大学, 工学部, 教授 (40020432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇高 義郎 東京工業大学, 工学部, 助手 (50114856)
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Keywords | 氷蓄熱 / 過冷却 / 伝熱面性質の影響 / 冷却速度の影響 / 氷発生確率 |
Research Abstract |
冷却伝熱面の表面において過冷却状態となった純水中に突然, 鉢状の氷が発生し, 過冷却が解消するメカニズムを伝熱面の材質, 機械的性質, 冷却速度と関連づけて基礎的に検討することにより, 過冷却を軽減して氷蓄熱の性能を向上させるための方策を研究した. 先ず, 表面にバフ研磨, 電解研磨, 金めっき, ニッケルめっき, クロムめっきをそれぞれ施した5種類の銅製伝熱面と, 平均直径6μm程度の銅りけうしを空隙立約20%に焼結した多孔性伝熱面を用いて, 純水を0.2〜0.5K/Sの割合で冷却し, 伝熱面上に氷が発生した時の伝熱面過冷却度と氷の発生位置を繰返し測定し, 結果を各伝熱面毎に伝熱面過冷却度と氷の発生する頻度の関係とて統計的に整理した. また電解研磨銅面について, 液体窒素により冷却速度を0.5, 0.2, 0.8K/Sの一定値に保った, より厳密な実験を行い, 冷却速度と過冷却解消温度の関係を検討した. 次に単位面積の伝熱面上に単位時間で氷が出現する確率(氷発生確率)を定義した確率的な解析を行い, 上記の実験データを冷却過程を考慮して整理することにより, 各伝熱面の氷発生確率を過冷却度の関数として解析的に定めた. その際, 伝熱面の温度分布をも考慮する一般的な解釈方法を導入した. 上記の研究を通じて, 電熱面上の微細な凹凸や冷却速度が過冷却の解消に支配的な影響を及ぼすことが明らかとなったので, 電解研磨銅面について, 解析的に得られた氷発生確率を用いて, 種々の冷却速度のもとでの過冷却解消頻度分布を計算し過冷却軽減効果を考察した. さらに, 表面の劣化にともなう氷発生確率の終日変化を長時間にわたる多数回の実験により検討た.
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