1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550164
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
藤井 石根 明治大学, 工学部, 教授 (90016444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜口 和洋 東京農工大学, 工学部, 講師
土屋 一雄 明治大学, 工学部, 助手 (00090100)
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Keywords | スターリングエンジン / 熱的自励振動 / 回転変動 |
Research Abstract |
本研究は, スターリングエンジンにおける高回転域での性能を著しく制限している回転変動現象, すなわち熱的自励振動に影響を及ぼしている因子を明らかにする事により, 新たな熱交換器設計指針を得ることを目的として進めているものである. 本年度の研究成果の概要は以下の通りである. 膨張熱交換器周辺の詳細な温度測定から, この現象のモデル化に必要となる自励振動の定性的なサイクルが把握できた. それらは, 次のようなものである. すなわち, 供給熱量と, 膨張側熱交換器の蓄熱量及び交換熱量とのバランスにより, エンジン回転数が増加すると, 膨張側壁における熱伝達率の増加により交換熱量が増し, 同熱交換器の壁温と膨張側ガス温が低下し, 仕事量もこれと供に小さくなって, エンジン回転数は現象してゆく. すると, 膨張側での熱伝達率, 交換熱量共に低下するので, 今度は逆に壁温が上昇し始め, 温度差の増大に基づく交換熱量と仕事量の増加にょってエンジン回転数は上昇し, 自励振動サイクルの最初に戻るというものである. こういった一連の自励振動現象を理論的に取り扱う場合, 制御工学の分野で通常行なわれている手法がそのまま適用可能である. すなわち, 自励振動に影響を及ぼしている各要素の伝達関数を求め, これを単一ループのフィードバック系に接続する事から導出される閉ループ伝達関数によって安定性の判別を行ってゆけば良い. その場合, 外燃機関であるスターリングエンジンでは, 熱交換器における熱の出入りが特に重要な要素となる. したがってこの要素をどのような伝達関数で記述したら良いのかを明らかにすることが, 自励振動現象の理論的な解明に重要な意味を持つ. 熱交換器における熱伝達を考慮した新たなシュミレーションモデルは, 実機を10%以内の精度で模擬することが確かめられた. 今後, 他の要素と組合せて閉ループ伝達関数を完成させ, 安定性の判別を行う予定である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Tsuchiya,N.Nagase H.Ohkita,I,Fujii: The 4th International on Stirling Ergines.
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[Publications] K.Hamaguchi,Y.Hiratuka H.Miyabe,T.Mizuno: The 4th International on Stirling Engines.