1988 Fiscal Year Annual Research Report
生物の筋肉をモデルとした集積形微小静電モータの開発
Project/Area Number |
62550185
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
壁井 信之 東京女子医科大学, 医用工学研究施設, 講師 (50096583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 喜一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70063469)
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Keywords | 静電力 / モータ / 電極 / 摩擦 / 比誘電率 / 推力 |
Research Abstract |
静電モータの単一素子の出力自体は小さく、総出力を上げるにはこれらの素子を集積する必要がある。集積するうえで問題となるのは、i)電圧をかけると電極間で吸引力が発生し、ステータが歪みロータと接して大きな摩擦力を生じる。ii)ロータとステータ間のギャップが小さく(数μm)、表面の加工精度によっては摩擦力が極めて大きくなり、推力が発生しない、等である。これらは従来のモータでの常識的な手法では解決できない問題である。この点の解決の緒を得るために、本年度はi)剛性の高い支持機構を設けず、液体潤滑によってギャップを管理し、摩擦力の低減を計る。ii)ロータとステータが転がり接触をする機構によりギャップを管理し、摩擦力を低減する、等の方法について検討した。その結果、拡大基本モデルを用いた実験では、なにもしない場合の動摩擦力は約40mNであったが、水を用いた流体潤滑法では20〜30mNに低下させることができた。また直径8μm程度の微小球を、電極表面に適当な間隔で散布して行った転がり摩擦法では、約40%程度動摩擦力を削減することができた。 一般に推力は電極数に比例する。同面積中で電極数を増加させるには電極長さを短くすれば良いが、むやみに増加させるとかえって吸引力は低下してしまうことが判明した。これに関して検討を行ったところ、アスペクト比(電極間距離/電極長さ)を0.5以下にする必要があることが分かった。 また、理論解析により、i)電極の間口を広くする。ii)電圧をできるだけ高くする。iii)ギャップをできるだけ小さくする。iv(電極対間距離を最適値にする。v)ロータの比誘電率を大きくする等の方法により、モータの推力を高めることができることが分かった。それにより得られる推定出力を求めたところ、1cm^2の面積を持つ静電モータの推力は最高400mN程度になることがわかった。
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