1987 Fiscal Year Annual Research Report
表面波の発生と連成したテンタゲート系の自励振動(逆置テンタゲートの流体関連振動)
Project/Area Number |
62550188
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
石井 徳章 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (40098083)
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Keywords | テンタゲート / ラジアル・ゲート / リバースト・テンタゲート / 長径間ゲート / 流体関連振動 / 表面波 |
Research Abstract |
全く新しいタイプのテンタゲートとしてスイスのSchinznachに逆置テンタゲートがある. 扇形せきの支持点を上流側に設けた点が従来のゲートとは異なる. さらに, 径間も比較的長い(約20m). それゆえ, Schinznachゲートは「径間が長い長径間ゲートとしての振動特性」と「せき板に働く水圧の方向と回転中心との距離が深さによって大幅に異なる特異性を有したテンタゲートとしての振動特性」の両方を持つ. このため逆置テンタゲートは従来のゲートとは異なる複雑な振動挙動を示す. このような問題を解決するための第一段階として, 本年度は特に後者の振動特性だけに注目し, 理論と実験の両面から研究を行った結果, 次に掲げる結論を得た. (1)理論解析の結果, 貯水池内の変動流れ場を決定する無次元パラメータはフルード数(放水口水深を代表長さ, 放水口水深と振動数の積を代表速度に選んだときの慣性力と重力との比の平方根)であり, 振動挙動を決定する無次元パラメータは水とゲートとの慣性モーメント比および空中での減衰比があることが分った. 自動振動はフルード数が1.0近くのときに生じ, そのときの激しさは慣性モーメント比が大きくなるほど増大する. (2)実験用のモデルゲートでは放水口水深が約30cmでり, フリード数を1.0にするためにはゲートの振動数を約0.9Hzに設定する必要があった. そのため使用した約6m長の水横内に生じる比較的周波数の低い定在波の影響を受け, 正確な実験データを得ることはきわめて困難であった. しかし, フルード数が1.0近くでの安定図, 振動数, 発振比, 変動水圧の特性を明らかにできた. 実用されているテンタゲートの実地調査の一環として, 松原ダムのテンタゲートについて打撃試験を実施し, モーダル解析を行った結果, 主要な5つの振動モード, およびそれらの固有振動数, 減衰比を明らかにできた.
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[Publications] NPRIAKI ISHII: Proc. of Int Conf. on Flow Induced Bibratisrs(Bowness-on Windernmere, England). 293-304 (1987)
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[Publications] 石井 徳章: 日本機械学会論文集. 495-B. 3267-3273 (1987)
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[Publications] 石井 徳章: 日本機械学会講演論文集. 872-1. 32-33 (1987)
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[Publications] 石井徳章: 日本機械学会関西支部第63期定時総会講演会. 6 (1988)
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[Publications] 石井 徳章: 日本機械学会北海道支部第29期総会講演会. 9 (1988)
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[Publications] 石井徳章: 日本機械学会九州支部鹿児島地方講演会. 7 (1988)
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[Publications] 吉川孝雄,松井剛一,石井徳章(共著): "機械の力学" コロナ社, 260 (1987)