1988 Fiscal Year Annual Research Report
SF6ガス中部分放電パルスの周波数解析によるGISの外部診断
Project/Area Number |
62550206
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Research Institution | Faculty of Engineering, Kobe University |
Principal Investigator |
荒井 健次 神戸大学, 工学部, 教授 (80031079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中本 聡 神戸大学, 工学部, 教務職員 (10198260)
藤岡 伸宏 神戸大学, 工学部, 講師 (10031105)
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Keywords | ガス絶縁変電所 / SF_6ガス中短ギャップ放電 / 放電電磁波 / 周波数スペクトル / 単一電子なだれ |
Research Abstract |
ガス絶縁変電所における異常放電検出に関する基礎特性を明らかにするため、空気中およびSF6ガス中の短ギャップ放電波形と放射電磁波の周波数スペクトル分布を調べた。その主な結果は次のごとくである。 1.短ギャップにおける火花型放電では、放電電流パルス幅は数ナノ秒波高値は数アンペアであり、その放電に伴う放射電磁波の周波数スペクトル成分はIGHz以上にまで伸び、アンタテナにより放電検出ができる。一方、電界不平等性の強い短ギャップではコロナ放電が生じるが、その電流波高値は数ミリアンペアで小さく、それに伴う放射電磁波レベルは周囲雑音と同程度以下で低く、火花型放電に比しその検出は容易でない。 2.SF6ガス中のコロナ放電波形は空気中のそれとはかなり異なり、その波尾長は空気中では数十ナノ秒であるのに対しSF6ガス中では約2ナノ秒である。この相違の原因を確かめるため、単一電子なだれモデルの試算を行った。その結果、SF6ガス中では負イオン雲は負針電極の近傍に高密度で生じるのに対し、空気中では負針先端から少し離れた点に比較的低密度の負イオン雲が生じることが解った。これは、空気中では放電を抑制するためには、多くの電子なだれ繰返しが必要であり、その結果放電電流波形が長くなることを意味していると言える。 3.測定した周波数スペクトル分布のディジタル処理により、コロナ型放電の検出を効果的に行うことができ、放電電荷量数十ピコクーロンの正コロナ放電の検出も可能となる。しかし負コロナ放電の検出は、電荷量がさらに小さいため、ディジタル処理をほどこしても困難であった。したがって、その検出データ処理方法について今後さらに検討することが必要である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kenji Arai.: Proc.of the 5th International Symposium on High Voltage Engineering. 1-4 (1987)
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[Publications] Kenji Arai.: Memoirs of the Faculty of Engineering,Kobe University. 34. 147-158 (1987)
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[Publications] Kenji Ara.: Proc.of the 1988 U.S.-Japan Seminar on Electromagnetic Interference in Highly Advanced Social Systems. 5-24-34 (1988)
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[Publications] 荒井健次: 電気学会論文A誌. 109. 103-111 (1989)