1988 Fiscal Year Annual Research Report
紫外光で励起したアンモニアによるリン化インジウム表面の直接室化と電子素子への応用
Project/Area Number |
62550222
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
上村 喜一 信州大学, 工学部, 助教授 (40113005)
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Keywords | MIS / 化合物半導体表面 / 窒化膜 / 光化学反応 / ショットキー接触 |
Research Abstract |
1.窒化膜の形成 光励起したアンモニアによるInP表面の窒化について検討した。この処理によってInP表面の電気的な特性が変化することが、ショットキーダイオードの特性解析ならびにMISダイオードの容量-電圧特性の解析によって示された。光励起したアンモニアでは厚い窒化膜の形成が困難であることが判明したため、さらにこれを発展させてより厚い膜を形成することを試み、プラズマを併用する方法を見いだした。 2.MIS特性の測定と窒化膜形成条件の最適化 直接窒化膜自体の電気的特性並びに窒化膜とInPとの界面特性を評価した。窒化膜の組成など化学的な評価には電子プローブ微少分析法(EPMA)を用い、電気的特性の評価にはMISダイオードの特性による方法を用いた。これらの実験によって、InP表面を有効に窒化するためには、残留酸素を極力減らすことが必要であることがわかった。 3.MIS型太陽電池の試作 InPを用いたMIS太陽電池を試作し、その基礎となる光起電力特性を評価した。表面の窒化処理によって太陽電池の開放電圧が大きくなり、高効率化に対して有効である可能性が示された。しかしながら現在のところ、エネルギー変換効率の値は他の構造に比べてけっして大きいとはいえず、さらに検討を必要としている。 4.今後の研究の展開 MISFETのゲート絶縁膜としての応用が期待できる。今後FETの試作と特性評価を行う計画である。
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