1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550223
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
助川 徳三 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (30006225)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 雅和 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (50177929)
田中 昭 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (50022265)
|
Keywords | 比重差液相成長法 / yo-yo溶質供給法 / シリコン / III-V族化合物 / シリコン-ゲルマニウム / 混晶 / 格子整合 / 重力効果 |
Research Abstract |
比重差液相成長法(yo-yo溶質供給法)がSiおよび混晶の厚い成長に有効であることは昨年度の研究成果として報告した。今年度は引き続いて成長実験を行なうと共に、本方法の実用化を図るための基礎研究としてyo-yoサイクルによって溶液中に引き起こされる現象の計算機シミレーションを合わせ行なった。 1.計算結果から、溶媒中への溶質の溶解による微少な密度変化でも大きな密度対流を誘起すること、この対流が下部原料の溶解を促進し、溶液上部に飽和溶液の成層圏を形成すること、これに要する時間は約10分で充分であり、今の成長系を改善することによって20倍以上の速い成長が可能であること等が判った。 2.Siの成長においては、本方法によって実現が可能となったLH接合の格子整合を図った。具体的にはIn溶媒にSnを添加することによって不純物無添加高抵抗Si基板上に格子整合した高濃度Pドープ層を成長することが出来た。このことは今後理想的な電子用素子や撮像素子の開発に大きな展望を開くものである。 3.混晶の成長においてはSiGe、GalnAs、GlnPの研究を進めた。 (1) SiGe混晶系の状態図を実験的に求めると共に熱力学的検討を加え、信頼できるものとした。それをもとにSnおよびInを溶媒とする成長実験を行い、Ge成分0.2モル分率、厚さ約1mmの厚い成長層が得られるようになった。 (2) GalnAs混晶のGaAs基板上への直接成長を発展させ、擬二元溶液に近い1000℃の高濃度溶液を用いて成長できるようになった。 (3) GalnP混晶のGaP基板上への初期成長条件を調べ、層状成長が得られるようになった。これによって入手の容易なGaPを基板としてyo-yo法による厚いGalnP混晶の成長に見通しが得られた。 以上のごとく、本方法は未だ揺籃期にあるが、将来のエレクトロニクスにおける一つの重要な技術に成長するものと考えている。
|
-
[Publications] 助川徳三: 静岡大学電子工学研究所研究報告. 22. 59-74 (1987)
-
[Publications] 林淳: 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告. 第9号. 9-13 (1988)
-
[Publications] 木村雅和: 静岡大学電子工学研究所研究報告. 23. 75-86 (1988)
-
[Publications] T.Sukegawa: J.Cryst.Growth. 92. 46-52 (1988)
-
[Publications] T.Sukegawa: IEEE Electron Devices. 10. 20-22 (1989)
-
[Publications] 林淳: 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告. 第10号. (1989)