1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550231
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
一ノ瀬 昇 早稲田大学, 理工学部, 教授 (60176295)
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Keywords | ボールミル粉砕 / 超微粒子粉末 / 機能性セラミックス / フェライト / 圧電セラミックス / 超伝導セラミックス / 低温焼結セラミックス基板 / 低温焼結積層コンデンサ |
Research Abstract |
1 昭和62年度研究実績; 本研究は, 極めて簡単なボールミル粉砕法で0.1〜0.3μm程度の超微粒子粉末を作成することにあった. 粉砕用ボールとしては5mm中以下のジルコニア(ZrO_2)ボールを用いた. このような微小球ジルコニアを用いた理由は, 10mm中以上のボールを用いたのでは上記0.1〜0.3μm程度の超微粒子が得られないこと, また, 他のアルミナ, メノウなどのボールでは不純物の混入が多いからである. このような方法で, 当初の目的である0.1〜0.3μm程度のフェライト粉末, 圧電セラミック粉末, 超伝導セラミック粉末など各種セラミック粉末が得られるようになった. これらの粉末を用いセラミックスを作成したところ, フェライト, 圧電セラミックスでは, 通常の焼成温度より100〜200°C低い温度で緻密なセラミックスが合成できた. また, 緻密化が難しいYBa_2Cu_3O_<7-8>系超伝導セラミックスでは相対密度95%以上の高密度化に成功し, ほぼ当初の目的を達成した. 2 昭和63年度研究計画; 昭和63年度の研究計画では前年度で確立されたボールミル粉砕法で得られる超微粒子粉末を使用し, 各種機能性セラミックス素子を開発する. 超微粒子の特徴である固相反応における活性化を利用して, 通常の焼結温度より数百度以上低い1000°C前後の低温度で焼結可能な低温焼結セラミック基板, 低温焼結積層コンデンサなどを作成する. この方法は, アルミナ(Al_2O_3), ジルコニア(ZrO_2)など1800〜2000°Cという高温で焼結される材料には効果的で, 大幅な低温焼結化が期待できる. 合成された機能性セラミックス素子については, その電子・電気的特性, 磁気的特性, さらには機械的特性などを測定し, 各分野への応用を検討していく.
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[Publications] 一ノ瀬 昇: 日本機械学会誌. 90. 431-437 (1987)
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[Publications] 一ノ瀬 昇: 化学と工業. 40. 1008-1011 (1987)
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[Publications] 一ノ瀬 昇: 化学工学. 52. 124-126 (1988)
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[Publications] 〓 友信: 日本セラミックス協会学術論文誌. 96. (1988)
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[Publications] N.Ichinose: Sintering ′87 Proceeding. (1988)
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[Publications] N.Ichinose: Sintering ′87 Proceeding. (1988)
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[Publications] 一ノ瀬 昇: "新素材ハンドブック" 丸善株式会社, 31 (1987)
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[Publications] 一ノ瀬 昇 山香英三共編: "高温超伝導入門(仮題)" (株)オーム社, (1988)