1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550246
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
木内 陽介 徳島大学, 工学部, 助教授 (80035807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛田 富之 徳島大学, 工学部, 教授 (60035798)
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Keywords | 磁石 / 義歯 / 磁力 / 有限要素法 |
Research Abstract |
本研究の研究計画は義歯の維持を行うための磁性アタッチメントの維持力の測定と磁気回路の解析, 設計の2計画から成り立っている. 第一の計画の遂行のため, 維持力の実測を行う装置を製作した. これはストレインゲージをもちいて板バネに生じた歪みを測定することにより, 維持力を測定するものである. 磁性アタッチメントを取り付けた義歯を石膏模型に装着して, 本装置で測定することにより, 任意の方向の維持力を測定することができた. この結果を後述の理論解析結果と比較することにより, 理論の妥当性を確かめることができた. また磁性アタッチメントを多数使用する場合は各磁性アタッチメントの装置方向が異なるため, 正確な理論的計算が困難になるが, このような場合でも本装置により任意の方向の維持力を知ることができ, 臨床的に大変有用であった. より有用なデータを得るためには, 模型上でなく口腔内で実測する必要があるが, このための改良は今後の問題である. 第二の計画の遂行のため, 有限要素法を用いて磁力を計算した. これまでの一連の研究により, 開磁路構造の磁性アタッチメントについては維持力を最大にする最適構造はすでに明らかにされ, 臨床的にも活用されている. 本研究ではより強い磁力を得るため, 閉磁路構造の磁性アタッチメントについて解析した. 幾つかの大学の歯学部との研究打ち合わせを通して臨床的使用条件を明らかにし, その条件下で磁性アタッチメントの最適構造を明らかにした. この結果4mm直径のアタッチメントで300g以上の維持力が得られることがわかり, この結果はすでに臨床研究に反映され始めている. また維持力を更に向上するための今後の材料開発の方向も明らかにされた. 今後他の構造の閉磁路型磁性アタッチメントを解析し, より有効な義歯の維持装置を開発する必要がある.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y. Kinouchi and T. Ushita: IEEE Trans. on Biomedical Engineering.
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[Publications] J. Kinouchi;Ed. by D. L. Wise: "Nagnet Devices for Retaining Dental Prosthesesin ″Biosensors and Bioelectronics Systems" CRC Press,