1988 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導位相量子デジタルバイスの動特性に関する実験的解析
Project/Area Number |
62550274
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中島 康治 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (60125622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大矢 銀一郎 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (00006280)
沢田 康次 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (80028133)
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Research Abstract |
本年度は昨年度完成したピコ秒時空間波形解析装置を用いての動特性の実験的解析が主要なテーマとなった。これまでは回路系は鉛合金を用いて製作していたが、信頼性や耐久性、歩留まり、初期故障率に問題があり、ニオブ系への移行を行った。ジョセフソン接合をNb-AlOx-Nbで製作、抵抗材としては鉛系を踏襲しAuIn合金を用いた。これにより耐久性などの大幅な改善を見た。測定としては以上の改善により世界で初めて固体内の量子ソリトン・反量子ソリトンの衝突、対消減、透過、対生成現象を系統的に観測し、ソリトンとしての相互作用後の位相のずれも実験的に観測した。これらの結果は応用物理学会や電気通信学会研究会で発表するとともに論文誌に発表又は発表予定である。回路系がニオブとなったため以上の現象の各種パラメータ依存性なども測定され、数値解析と比較的よい一致を見た。これらのデータを基に磁束量誌挿入ゲートや論理回路微細化の期待がもたれるフラクソイド伝送線路の製作を行った。フラクソイド伝送線路はジョセフソン接合の等価インダクタンスを用いてインダクタンスループの微細化を行うものであり、この線路を伝搬するソリトンをフラクソイドと呼ぶ。測定においてはフラクソイドの単独伝搬や衝突透過現象の観測に成功した。回路は約1/3の大きさであり微細化への有効性を確認した。さらにソリトンとしての相互作用後の位相ずれも同様に実験的に観測され、数値解析との比較を行い良好な結果を得た。その他時空間波形解析装置自身の改良や動作自体の詳細な検討を行い離散系線路と連続系線路での測定波形の関連性など新しい測定結果の解析法を導出した。これらの結果も論文誌に発表予定である。磁束量子挿入ゲート関連については一部を論文誌に投稿中であるが現在も測定を継続中であり新しいデータの得られることが期待される。 超伝導/位相量誌/量子ソリトン/フラクソイド/ジョセフソン接合/ジョセフソン位相モード論理回路
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[Publications] K.Nakajima;H.Sugahara;A.Fujimaki;Y.Sawada: Journal of Applied Physics(採録決定).
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[Publications] A.Fujimaki;K.Nakajima;Y.Sawada: Physical Review Letters. 21. 2895-2898 (1987)
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[Publications] A.Fujimaki;K.Nakajima;Y.Sawada: Journal of Applied Physics. 61. 5471-5474 (1987)
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[Publications] K.Nakajima;A.Fujimaki;Y.Sawada: Japanese Journal of Applied Physics. Suppl.26-3. 1549-1550 (1987)
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[Publications] 中島康治、沢田康次 他: "トンネル現象の物理と応用" 培風館, 187-196 (1987)