1988 Fiscal Year Annual Research Report
相対論的電子ビームを利用した新しい電磁放射源の開発に関する基礎的研究
Project/Area Number |
62550290
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安元 清俊 九州大学, 工学部, 教授 (60037926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 光広 九州大学, 工学部, 助手 (40191506)
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Keywords | 相対論的電子ビーム / 回折格子 / 電磁放射 |
Research Abstract |
本研究では、開放型の周期構造系を利用した相対論的電子ビームによる電磁放射の問題を電磁波工学の立場から理論的に解析し、新しい電磁放射源を実現する上で必要な放射系の構成について検討した。 1.スミス・パーセル放射:反射型回折格子の上を外部静磁界に沿って伝搬する電子ビームによる2次元的なスミス・パーセル放射の問題を解析した。この自然放射を回折格子によって乱された空間電荷波の洩れを放射としてとらえ、多重空間座標に基づく摂動理論を展開して、放射を決定する洩れ係数と2次の位相変化寮の解析的な表現式を導いた。与えられた信号周波数に対して洩れ係数を最大にする最適な電子ビームの位置、厚さ、及び電子密度が存在することを指摘し、この最適なパラメータを使って放射指向性と放射効率を数値計算した。その結果、電子ビームの伝搬方向に対して後方に半値角が1度以内で放射利得が数+dBの鋭いスミス・パーセル放射が得られることを明らかにした。 2.スミス・パーセル型自由電子レーザ:反射型回折格子を利用した2次元的なスミス・パーセル型自由電子レーザについて解析した。この誘導放射は回折格子の表面近傍に束縛された固有の表面電磁波と空間電荷波の結合により生じるものであり、摂動理論は適用できない。本研究では、電磁界の境界値問題の数値解法として知られているモード整合法を適用して、誘導放射の領域から自然放射の領域にわたって有効なFull Wave Analysisに成功した。その結果、自由電子レーザの最大増大率、中心周波数と電子ビーム及び回折格子に関する最適な形状パラメータの関係を数値的に明らかにすることができた。自然放射のスミス・パーセル放射についても、上記の摂動理論の有効範囲を示すとともに最適な回折格子の形状を明らかにした。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] TANAKA TOSHIYUKI.: The Transactions of The IEICE,Japan. E70. 255-258 (1987)
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[Publications] YASUMOTO KIYOTOSHI.: Proceeding of Sino-Japanese Joint Meeting on OFSET. 433-440 (1987)
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[Publications] 田中俊幸: 電気学会電磁界理論研究会資料. EMT-87-19. 25-34 (1987)
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[Publications] 安元清俊: 電気学会電磁界理論研究会資料. EMT-87-97. 55-64 (1987)
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[Publications] YASUMOTO KIYOTOSHI.: Journal of Applied physics. 62. 3543-3549 (1987)
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[Publications] 田中俊幸: 電気学会電磁界理論研究会資料. EMT-88-58. 11-20 (1988)
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[Publications] 田中俊幸: 電子情報通信学会論文誌. J71-C. 906-913 (1988)
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[Publications] YASUMOTO KIYOTOSHI.: Proceedings of 1988 IEEE AP-S International Symposium. 295-298 (1988)
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[Publications] 荒巻利也: 電気学会電磁界理論研究会資料. EMT-88-121. 1-10 (1988)
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[Publications] 田中俊幸: 九州大学工学集報. 62. 41-47 (1989)
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[Publications] 田中俊幸: 電子情報通信学会論文誌. J72-C-I. 1-7 (1989)
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[Publications] YASUMOTO KIYOTOSHI.: Proceedings of 1989 IEEE AP-S International Symposium. (1989)