1987 Fiscal Year Annual Research Report
無指向性短パルス素子を有する超音波アレイトランスデューサ
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62550296
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小山 清人 山形大学, 理学部, 助教授 (60007218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 安孝 山形大学, 工学部, 助教授 (40171904)
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Keywords | 圧電性高分子材料 / 超音波トランスデューサ / アレイトランスデューサ無指向性 / ホログラフィ / 広帯域 / フッ化ビニリデンートリフルオロエチレン共重合体 |
Research Abstract |
本研究では高効率の高分子材料の開発と同時にアレイ形状の工夫による素子の無指向化と超音波の短パルス化を検討し, 従来の探解子にかわり得る高分子アレイトランスデューサの作製方法の確立を目的として行なった. この目的のために, まずトランスデューサの短パルス化の検討を行なった. これに引続き, トランスデューサの無指向化を検討し, それを素子としてアレイトランスデューサを作製し, ホログラフィーによる画像形成実験を行なった. トランスデューサ材料はフツ化ビニリデンートリフルオロエチレン共重合体(P(VDF-TrFE))を原料とし, ホットプレス法によって, 所定の厚さのフィルムを作製した. フィルムは143°Cで30分間熱処理を行い高結晶化度の共重合体フィルムとした. 分極処理は100MV/m程度で行なった. このようにして得られたフィルムのKtは0.3程度であった. トランスデューサの短バルス化はフィルムの多層化による方法とバッキングの付加の程度を変化させる方法とによって検討した. その結果, 単層でアルミニウムをバッキング材として用いたときに最も短いパルスを送受信できることが, 理論と実験の両面から知られた. 無指向化で電気インピーダンスが小さい(50Ωに近い)素子として, 円筒状のトランスデューサを作製した. この素子は円筒状アルミニウムにP(VDF-TrFE)フィルムを巻き付けて接着しているのでライン状のトランスデューサとして作動する. これを組み合わせて8MHzで動作するアレイ型高分子トランスデューサを試作した. これは左右8個づつの16個の送波素子と中央の1個の受波素子からなる. 画像形成はパーソナルコンピュータPC-9801を用いて2乗検波ホログラフィ法によって行なった. 円筒状のターゲットからの再生像を得ることができたが, シミュレーションと一致させるまでには至らなかった.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Sato,K.Koyama,S.Ikeda,and Y.Wada: Japanese Journal Applied Physics.26. 100-102 (1987)
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[Publications] S. Tuchiya, T. Sato, K.Koyama,S.Ikeda, and Y. Wada: Japanese Journal Applied Physics. 26. 103-105 (1987)
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[Publications] S.Ikeda,H.Kominami,K.Koyama,and Y.Wada: J. Appl. Phys. 62. 3339-3342 (1987)
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[Publications] K.Koyama, H. Ohigashi, and Y. Wada: The Proceedings of the China-Japan Joint Conference on Ultrasonics. 311-314 (1987)
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[Publications] T. Ohashi,T.Yamamoto,T.Sato,Y.Tamura,K.Koyama,S.Ikeda,and Y.Wada: Reports on Progress in Polymer Physics in Japan. 30. 267-270 (1987)
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[Publications] K.Koyama,T.Yamomoto Y.Tamura,and Y.Wada: Japanese Journal Applied Physics.