1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550311
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
平井 一正 神戸大学, 工学部, 教授 (30031058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
潮 俊光 神戸大学, 工学部, 助手 (30184998)
安田 一則 神戸大学, 工学部, 助手 (30107982)
池田 雅夫 神戸大学, 工学部, 助教授 (00031146)
北村 新三 神戸大学, 工学部, 教授 (80029131)
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Keywords | カオス / 分岐現象 / 非線形現象 / 非線形制御システム / 共存現象 |
Research Abstract |
本研究は, 非線形特性をもつサブシステムが, 複数個結合した非線形複合システムに発生する分岐現象やカオスの発生機構やその他の形質を明らかにすることを目的としたものであって, 当該年度に明らかにした結果は以下の通りである. 1) 周期解とカオスの共存現象 この現象は, 初期値の微少変動によって, システムの位相的ふるまいが変化し, たとえば安定な周期解が別の周期解に, あるいはカオスに分岐する現象を言うものである. 初期値のごく微少変動で, 全く異なる現象を呈することは, 今後, 人間の思考, ひらめき, 記憶などの解明にも関係のあることとして注目を集めている. この現象は, 本研究によってはじめて明らかにされたものであって, ごく簡単な一次元ディジタルシステムや, サンプル値制御系において, このような共存現象がみられることを示し, その発生機構を研究した. この現象は特に複合システムに限ったことではないが, 複合システムにおける結合関係と密接な関係がある. 2) 実システムへの応用 多くのサブシステムが結合してできる非線形複合システムの例として, 大型宇宙構造物をとりあげ, このようなシステムの安定性を研究した. さらにフィードバックによる最適制御問題を論じた. これらの研究結果にもとづいて, 現在, カオスや分岐現象を研究している. 次に非線形複合システムの例として, 生体をとりあげ, 生体(ヒト)におけるB型肝炎の発生機構を解明した. その数字モデルとして, 非線形微分方程式モデルを考え, この微分方程式の解軌道がカオスになることから, B型肝炎の発生との関連について論じた.
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[Publications] 平井一正: 電子通信学会非線形専門委員会. NLP-87. 41-46 (1987)
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[Publications] K. Hirai: The 3rd German-Japanese Seminar on Noulireav Problems in Dynamical systems,-Theory and Applicatons-. 3. 60-66 (1987)
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[Publications] 平井一正: 第30回自動制御連合講演会論文集. 30. 81-82 (1987)
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[Publications] 池田雅夫: 第30回自動制御連合講演会論文集. 30. 29-30 (1987)
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[Publications] 潮俊光: 電子情報通信学会論文誌A. Vol. J-72. (1988)
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[Publications] 北村新三: 第32回システムと制御講演発表会予稿集. 32. (1988)