1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550320
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松浦 義一 大阪大学, 工学部, 教授 (00028945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 聖史 大阪大学, 工学部, 助手 (50183554)
冨田 康光 大阪大学, 工学部, 助教授 (30029251)
船木 俊彦 大阪大学, 工学部, 助教授 (90029174)
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Keywords | 船体振動 / 上下曲げ振動 / 付加水質量に対する浅水影響 / 2次元付加水質量 / 3次元付加水質量 / 3次元修正係数 / 特異点分布法 |
Research Abstract |
船体振動の理論解析は, 現在では電子計算機の性能の向上に伴い, 船体及び周囲の水を含めた系についての計算が可能となった. しかし, その計算費用及び設計の初期段階では船体構造に関する資料が不十分であることのため, 実用的な解析法としては, 依然として従来の付加水質量を用いる計算法が有用である. 本研究は, 特に浅水域を航行する船体の上下曲げ振動を対象とし, まだ不明な点の多い船体付加水質量に対する浅水影響を模型船の振動実験と理論的考察によって究明したものである. 実験模型はアクリル樹脂液により一様断面の船体模型を製作し, 横断面の形は矩形, 円, 楕円及び面積比の異なる2種類のルイス断面の合計5種類とした. この5種類の断面を持つ模型は, それぞれにつき2次元付加水質量測定用の短い船体模型(2次元模型と呼ぶ)及び3次元付加水質量測定様の長い船体模型(3次元模型と呼ぶ)を製作し, 水中振動実験を行った. 2次元模型については純粋な上下振動実験を行って固有振動数を計測し, これより船体の単位長さ当りの2時限付加水質量W_<II>を求めた. 3次元模型については上下曲げ振動の実験を行い, その固有振動数の計測値より船体の単位長さ当りの3次元付加水質量W_<III>を求めた. 水深を種々に変えてこれらの実験を行い, W_<II>及びW_<III>に対するH/d(H:水深, d:喫水)の影響が明らかになった. 浅水影響はH/d<5になると徐々に現れ, H/d<3でかなり明瞭に認められ, H/d<2で著しくなり, 浅くなるに従って付加水質量が急速に大きくなることを確認した. また, J=W_<III>/W_<II>の比は付加水質量の3次元修正係数と呼ばれるものであるが, Jの値は水深に無関係に一定の値となることが明らかになった. なお, 以上の実験結果は特異点分布法を用いて求めた付加水質量の理論値とよい一致を示した.
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