ランダム荷重下の疲労寿命分布特性と疲労設計基準に関する研究

1988 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 62550321
• Research Institution: HIROSHIMA UNIVERSITY
• Principal Investigator: 藤本 由紀夫 広島大学, 工学部, 助教授 (60136140)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 岩田 光正 広島大学, 工学部, 教授 (80034346)
• Keywords: 疲労き裂発生寿命 / ワイブル分布 / 多数切欠き付試験片 / ランダム疲労 / ベイズの定理 / 疲労試験の省力化

Research Abstract

本研究では、長寿命疲労試験における試験時間の短縮化と試験費用の削減をめざして、2〜3本理想的には1本の試験片で寿命分布特性を把握できるようにするため、多数切欠き付試験片を導入した疲労試験法とその信頼性解析法を提案した。そして数値シミュレーションおよび種々の荷重条件下で疲労試験を行い、提案手法の有効性を明らかにした。実験では一定応力振幅下とランダム変動荷重下の寿命分布形の差異を定量的に明らかにした。提案手法と実験の概要は次のとうりである。
(1)1本の試験片に、統計的に同一な疲労特性を有する60個の円孔切欠をもうける。
(2)荷重を繰返し負荷し、途中で幾度か試験機を停止して、その度毎に発生したき裂の個数と発生位置を調べる。
(3)疲労き裂発生寿命をワイブル分布で近似し、(2)の事象が生じたときの【planck's constant】度関数〓〓〓
(4)この【planck's constant】度関数よりベイズの定理を用いてワイブル分布のパラメータ数を求める
(5)提案した方法を用いれば、2〜3本の試験で、単一切欠付試験片数十本分に相当する寿命分布推定能力があることが明らかとなった。
以上の実験では疲労き裂がある箇所に発生すると、隣接する切欠き底の応力分布が変化し、それによって後続の寿命が影響を受ける可能性がある。本研究では影響を受ける可能性の強い切欠きを母集団からはずすことによって、その影響を取除く方法も提案した。現在多数フイレット切欠き付試験片を用いた実験により、さらに試験時間の削減と寿命推定の向上を計ることを計画している。

Research Products

• [Publications] 藤本由紀夫、岩田光正、永井欣一: 日本造船学会論文集. 164. 348-359 (1988)
• [Publications] 藤本由紀夫: 日本造船学会論文集. 164. 360-373 (1988)
• [Publications] Yukio Fujimoto.: 10(NO.2). 1989. (35-44)
• [Publications] 藤本由紀夫: 第8回設計における信頼性工学シンポジウム、日本材料学会. 8. 63-68 (1988)
• [Publications] 藤本由紀夫: 日本造船学会論文集. 162. 494-502 (1987)