1987 Fiscal Year Annual Research Report
有限剛体モデルを用いた薄肉骨組構造の極限強度算定法の開発
Project/Area Number |
62550329
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
深沢 泰晴 山梨大学, 工学部, 教授 (90020354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 美好 山梨大学, 工学部, 助手 (50162889)
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Keywords | 薄肉剛体モデル / 薄肉骨組構造 / 有限極限解析 / 剛体-ばねモデル |
Research Abstract |
本研究は, 東大生研の川井教授らによって構造物の極限強度解析用として提案され, その有効性が実証されつつある剛体-ばね系モデルのコンセプトを拡張して, ねじりを伴う薄肉骨組構造の極限状態の簡易解析法の開発を目指して遂行されている. 薄肉断面材の剛体-ばね系モデルへの置換に際して, まず比較的妥当と思われる3種類の離散化モデルを設定した. 従来ネックとなっていた断面のワーピング現象の取扱いは, 有限変位場の定式化過程に差分法を組み込むことによって対処するなどして, これらの離散化モデルの解析に必要な増分形式の線系化剛性方程式の誘導等の基礎理論を構築することが出来た. 構造系全体に対する剛性方程式の組立てにおいては, 有限要素法と比較して, 本解析法の有位性を確認することができた. 具体的な数値解析を行う際に問題となる幾何学的非線形性ならびに材料非線形性に対する反復収束計算材料の降伏条件の組み込み, 残留応力の影響評価等, 基礎理論を実際の薄肉骨組構造の有限極限解析に適用する場合に必要な数値解析の手法を確立すべく各種の検討を行った. 薄肉断面材を対象として設定した3種の剛体-ばね系モデルを用いて, いくつかの代表的な剛骨組構造要素の有限極限解析を実行し, それぞれのモデルについて, 反復収束の計算の効率性, 解の精度と分割ならびに計算時間との関係, 各種の支持条件に対応する最適な分割状態等の基本特性を調べた. これらの計算は, 大型コンビュータおよびパーソナル・コンピュータで行い, また常に有限要素法と対照させるかたちをとった. 本年度は解析モデルの設定, 基礎理論の構築, 数値解析手法の検討等の基本問題の扱いに留まったが, 次年度においては, 薄肉骨組構造の極限状態の簡易解析法としての完成を目指す.
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