1988 Fiscal Year Annual Research Report
特性が異なる異方性弾性体の接触面に生じている亀裂の周辺の応力集中と変形の解析
Project/Area Number |
62550331
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
中川 建治 岐阜大学, 工学部土木工学科, 教授 (80035039)
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Keywords | インターフェイス / 境界面 / 亀裂 / 応力集中 / 理論解 / 有限応力 |
Research Abstract |
1 研究の対象 土木工学の分野では、弾性定数が異なる弾性体の接触面の亀裂の問題はInterface Crackと呼ばれていて、次のような力学問題を意味する。 (1)コンクリートと岩盤の接触面に生じた空隙周辺の応力集中、 (2)地層中の異質土質や岩盤の接触面に沿う空隙周辺の応力集中。 従来の研究では、Erdgan,やShie等による近似解でInterface Crackの解は接触面の亀裂の先端で応力集中は集積特異点の様相を呈して非現実的なものになるというものであった。 2 申請者の研究成果 (1)3次元弾性体中の亀裂先端で有限な勾配で立ち上がり有限で滑らかな応力集中を与える解析的な応力関数を導いて土質工学論文報告集に成果を発表した。 (2)2次元直行異方性体中の亀裂に対しても有限な応力集中を与える理論解を導いて中国人留学生と連名で中国の学会誌に報告した。 (3)インターフェイス・クラックの問題については亀裂先端で集積特異点になるという上記の不合理の解析解以外に、亀裂先端から有限で滑らかな勾配で立ち上がり有限な大きさになる応力集中を与えるような解析解が存在することを、次のようにして導き得た。接触面における変位と応力をFourier積分で表現されるものとして、亀裂の開口変位は有限項のFourier数で表されるものとした。さらに、亀裂先端部のプロセス・ゾーンは開口変位も存在するが、応力は生じるままに放置して、残りの部分の応力は0となるように配慮した。 これは土木工学のみならず機械工学の分野においても極めて有意義な解である。これらの成果は既に外国の学会誌に投稿中であって校正刷りが完了している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 段樹金,中川建治: 土質工学論文報告集. 28-1. 153-160 (1988)
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[Publications] Shujin,Duan;Kenji,Nakagawa: Appled Mathematics and Mechanics(China). 9-6. 531-539 (1988)
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[Publications] Shujin,Duan;Hiroyoshi,Yazaki;Kenji,Nakagawa: Engineering Fracture Mechanics.