1987 Fiscal Year Annual Research Report
振動による道路橋RC床版健全度調査のための測定法と数値解析法の研究
Project/Area Number |
62550332
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 雅史 名古屋大学, 工学部, 助手 (50115549)
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Keywords | 道路橋 / RC床版 / 健全度 / 振動測定 / 数値解析 |
Research Abstract |
道路橋のRC床版の損傷が大きな問題となっているが, 現在はひびわれの目視に基づく診断調査が主であり, 定量的かつ簡易な調査判定法の確立が必要である. そこで, 本研究はRC床版の健全度調査に振動測定を適用するための手法を検討するものである. 本年度はまず供用前の健全なRC床版を対象として現地で振動特性を把握するための測定を実施し, 振動測定法およびその振動特性の数値解析法について研究した. その結果, 次のような知見, 成果を得た. 1.測定・データ解析法について (1)床版の振動特性を求めるには, 衝撃加振による自由減衰振動試験が最も適している. (2)床版の振動モードが得られるように振動計を設置するのが良い. (3)床版での振動から桁での振動を差し引いたデータを解析すると, 床版の振動性状をより明確に把握できる. 2.数値解析法について (1)壁高欄, ハンチ部を考慮した板理論による全橋床版のFEM解析が有効である. (2)必要とする振動次数によって, 板理論によるFEM解析で対象とする橋軸方向の長さは適宜短くできる. (3)簡便な解析として, 橋軸方向には単位長さをとり幅員方向に連続梁とした梁理論による解析も有効である. (4)2辺単純支持無限縁板の理論式は床版スパンの長い場合など限られた場合にのみ適用できる. 今後は, 本年度の内容をさらに検討するとともに, 損傷のあるRC床版を対象とした研究を進める予定である.
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