Research Abstract |
まず, コンクリートの試験練りを数回行い, ワーカビリチィを確保しつつ設計強度O_<28>=500kgf/cm^2を発現させるためには, 流動化剤の使用が不可欠であることを確認し, 最終的な設計配合を, 水セメント比35%, 流動化剤(花王マイティ150)1.2%(対セメント重量比)と決定した. また, グラウトの試験練りを行い, コンシステンシー, 膨張率, グリージング率を測定した結果, 水セメント比を41%と決定した. 次に, 予備実験として, 高さ30cm巾25cmの長方形断面を有し支間3mの単鉄筋コンクリートばりを作成し, 結合はりと同量のプレストレスを導入してコンクリートはり単独での曲げ耐荷力実験(3等分点曲げ)を行いPu= tonfを得た. 次に, 圧延H型鋼と長方形断面RCはり(高さ30cm, 巾25cm)を支間3mの中央でPC鋼線によって結合した純曲げ用供試体を作成し, 3等分点載荷し崩壊に至るまで, 結合部を中心に変形挙動, 崩壊挙動を観察, 測定した. 供試体は, 端板の厚さが8mmのもの2体と36mmのもの2体とし, それぞれU型の結合筋(端板に溶接しコンクリート部に約45°方向に締着した)が有るものと無いものを作成し, 合計4体を実験した. 端板の厚さは, 曲げによる鋼はりフランジ部の軸方向力をコンクリート部に伝達する際の応力集中の大小に与える影響は大きく, 端板厚 mmのものの最大荷重Pu= tonfに対して端板厚8mmのものはPu= tonfと低下した. 崩壊はいずれもコンクリート上面の端板に接する部分の圧壊により生じたが, 端板厚8mmの場合は, 端板の引張側のめくれも強度低下の原因となった. 結合筋を設けた場合もこのめくれを防止することはできなかったが, 最終強度は, Pu= tonfと約20%増大した. 本年度の実験により, 耐荷力挙動及び崩壊原因が明確になったので, 次年度は崩壊の原因である応力集中を解消するディテールを考案して供試体を作成し, 実験を維続する予定である.
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