1987 Fiscal Year Annual Research Report
繊維補強コンクリートによる放射性核種の格納効果に関する基礎的研究
Project/Area Number |
62550349
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大津 政康 熊本大学, 工学部, 助教授 (80109016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 重旗 熊本大学, 工学部・, 教授
平井 弘義 熊本大学, 工学部, 講師 (90143007)
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Keywords | 繊維補強コンクリート / 放射性核種 / 透水係数 / 有限要素法 / 境界要素法 |
Research Abstract |
本研究は, 放射性の核反応生成物(核種)の遮蔽隔離材として, 繊維補強コンクリートを使用するうえでの有用性について基礎的な検討を行うことを目的としたものである. 初年度は, まず, 種々の繊維補強コンクリートの格納能力を検討するために, 透水試験を実施した. しかしながら, 従来のアウトプット法による方法では, 実験に長期間を要し, かつ, 実験データにもバラツキが存在したため新たな測定法を検討した. それは, 24時間の透水実験後に供試体を割裂破壊し, そこで観測される浸透深さから, 非定常拡散方程式の理論解を用いて決定する方法である. このとき, 浸透深さの測定を厳密に行うため, 浸透液としてNacl水溶液を用い, フルオレセインナトリウムと硝酸銀を試薬として用いることにより塩分濃度の高い領域を着色する方法を用いた. その結果, コンクリート, モルタルともに鋼繊維を1%〜3%混入することによって, 約2倍程度透水係数が大きくなることが認められた. しかし, 最大でも, 1×10^<-10>cm/secと非常に小さな値であり, 遮蔽材としては十分に有効であることが認められた. 核種移動を解析するプログラムとしては, 非定常輸送方程式を解く必要があるため有限要素法(FEM)およびFEMと境界要素法(BEM)の結合法による数値解析プログラムの開発を行った. この解析例によれば, 岩盤に対し1/10程度の透水係数を有するコンクリートをライニング材として使用するだけで, かなりな格納効果を期待できることが明らかになった.
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Research Products
(1 results)