1989 Fiscal Year Annual Research Report
超音波スペクトル解析によるコンクリ-トの品質評価に関する研究
Project/Area Number |
62550352
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
尼崎 省二 立命館大学, 理工学部, 教授 (60066743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 宜章 立命館大学, 理工学部, 助手 (50154753)
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Keywords | フレッシュコンクリ-ト / 締固め評価 / 超音波スペクトル解析 / 波動エネルギ- / 早期劣化 / 超音波パルス伝播速度 / 非破壊評価 |
Research Abstract |
平成元年度は、コンクリ-ト構造物の早期劣化は材料的欠陥だけでなく、施工(締固め)不良も原因しているとの観点から、超音波スペクトル解析によるフレッシュコンクリ-トの締固め評価のための基礎的研究を実施した。すなわち水セメント比およびスランプの異なるコンクリ-トを種々の方法で締固め、型わくに整置したときの締固め程度が透過超音波スペクトルに及ぼす影響を調べた。透過超音波のエネルギ-は放射超音波の性質によって異なるが、本研究での超音波の放射は発振子に1200Vの直流を印加し、0.5μsで放電する方式で行なった。得られた結果を要約すると以下の通りである。 1.型わくに整置した直後の受振波の立上りは、締固めを十分に行なうほど明確になるが、伝播距離が30cmの場合には、伝播時間を測定することは困難である。しかしながら透過超音波のスペクトルおよびエネルギ-の測定は可能であり、透過超音波のスペクトル解析を行なうことにより、コンクリ-トの締固め程度を評価することが可能である。 2.伝播距離10cmの場合、振動締固めをしたコンクリ-トの型わく整置直後の音速は棒突きの場合(100m/s以下)よりも、100〜200m/s程度早くなり、エネルギ-は夏期で20dB、冬期で10dB程度大きくなる。この音速は、振動の伝播速度推定式による速度(通常のコンクリ-トで30〜80m/s程度)よりもかなり早いが、その原因は伝播速度の測定方法および位相速度とパルス速度の相違と思われる。 3.本実験に用いた装置では、型わく整置直後のフレッシュコンクリ-トは音速100m/s以上、透過超音波のエネルギ-が-65dB以上であれば、十分に締固められていると考えられる。
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Research Products
(1 results)