1987 Fiscal Year Annual Research Report
統計的決定理論によるのり面危険度判定の支援システムに関する基礎的研究
Project/Area Number |
62550358
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松尾 稔 名古屋大学, 工学部, 教授 (40025937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 悟 名古屋大学, 工学部, 助手 (40194203)
正垣 孝晴 名古屋大学, 工学部, 助手 (90171016)
鈴木 壽 名古屋大学, 工学部, 助手 (80154574)
浅岡 顕 名古屋大学, 工学部, 助教授 (50093175)
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Keywords | のり面危険度判定 / データベース / 統計的決定理論 / 意思決定支援システム / 飽和-不飽和浸透解析 / 三軸圧縮試験 / 事例解析 / 安全率 |
Research Abstract |
本研究は道路公団中央自動車道の多治見〜諏訪間のような山岳切り取りのり面の安全性の評価を, 単に土質力学的な視点から究明するものではなく, 既往のり面の崩壊・未崩壊事例に基づいて素因の分析とそのデータベースに基づき, 対象のり面の危険度判定を行うための統計的決定理論による意思決定支援システムを構成したものである. 本研究の成果を要約すると以下のようである. (1)中央自動車道のり面・斜面の崩壊・未崩壊事例の収集・整理を行った. その結果, 斜面崩壊の形態はすべり面が高々1〜2mの浅いものが多く, のり面保護は植生である場合に崩壊が多いこと, 連続雨量では100〜200mm, 最大時間雨量は20〜40mm程度であることを明らかにした. (2)飽和・不飽和浸透解析を基礎とした降雨時の斜面安定解析法による事例解析を実施するために, 崩壊履歴のある斜面において現位置土質調査と不攪乱土質試験の室内試験を実施した. 不飽和土の強度係数を求めるために三軸圧縮試験を排気・排水条件別に実施し, それらの強度差を明らかにした. (3)(2)で得られた各種入力データに基づいた事例解析を実施した. その結果降雨時の斜面安定解析法に用いるべき強度試験法としては, 排気・非排水試験で十分であること, ひずみレベルによる不飽和土の強度差は解析結果にあまり影響しないことが明らかとなった. また, 各種入力パラメータの安全率の絶対値に与える影響が大きいので, 安全率の低下速度に着目した方法も検討した. この方法によれば, 一般に知ることが困難である地盤内の初期飽和度などの影響にあまり依存されず, 崩壊発生時で指摘することができる. なお, これらの解析と多数収集・整理された崩壊・非崩壊データに基づきのり面危険度判定の支援システムを開発中である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 鈴木壽, 松尾稔: 不飽和土の工学的性質研究の現状シンポジュム発表論文集. 79-86 (1987)
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[Publications] Hisashi Suzuki;Minoru Matsuo: Soils and Foundations. (1988)
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[Publications] 鈴木壽, 田中孝, 松尾稔: 第23回土質工学研究発表回講演集. (1988)