1989 Fiscal Year Annual Research Report
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62550364
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Research Institution | Hakodate National College of Technology |
Principal Investigator |
佐野 佶房 函館工業高等専門学校, 土木工学科, 助教授 (90041897)
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Keywords | 三軸圧縮試験 / 粘土 / 間隙水圧 / 塑性間隙水圧 / 圧密非排水せん断 / 鉛直軸ひずみ |
Research Abstract |
1供試体中央位間隙水圧u_m:(1)水平試料の場合変形が不均一に生じており、せん断される領域とせん断されない領域が混在している。これに対し鉛直試料の場合には、より均一な変形となることを確認した。今年度のデ-タ-は全て鉛直試料により収集された。標準デ-タ-も新しく求められた。(2)中央位間隙水圧u_mは、昨年度と同様に、多くの事例で底面間隙水圧u_bと同一の値を示す。両者の値が異なる時にはu_mがu_bより低く、昨年度の水平試料について得られた傾向に一致している。このことは笠岡粘土に関しての傾向と全くの正反対である。三軸供試体のせん断時間隙水圧として底面間隙水圧u_bを標準として利用するが、理論の検証としての間隙水圧および有効応力の算出にはせん断領域の間隙水圧例えばu_mを用いることが必要である。(3)中央位間隙水圧u_mを底面間隙水圧u_bより推定することはこれまでの成果のみでは不可能である。u_m<u_b、u_m>u_bのいずれかの関係が成立するかを選定する基準を特定することが未解決だからである。 2塑性間隙水圧と軸ひずみの関係:(1)せん断時間隙水圧の塑性成分Δu_pと軸ひずみε_aの関係は全応力経路に大きくは影響されない。精度は不満足であるが、せん断時間隙水圧推定に使用することが可能である。推定精度を向上のため、等方応力変化によって残留間隙水圧が発生するか否かを把握し、等方応力変化による間隙水圧変化量を計測する必要がある。すなわち間隙水圧の弾性成分を平均主応力変化Δσ_mと見積もることの是非を検討しなければならない。(2)過圧密粘土の場合正のダイレタンシ-の生じることが知られており、非排水条件下では負の間隙水圧が計測されるはずであるが、本研究ではごく一部の事例を除いて正の間隙水圧が計測されている。この現象については全く説明ができない。中央位間隙水圧u_mについては負となる事例も得られている。
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