1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550394
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高桑 哲男 北海道大学, 工学部, 教授 (60001153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船水 尚行 北海道大学, 工学部, 講師 (10113622)
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Keywords | 多層濾過池 / 回分沈降過程 / 流動層濃度式 / 成層化現象 |
Research Abstract |
多層〓過池を実現するために必要な条件すなわち濾材の粒径, 密度, 存在比並びに逆流洗浄時膨張率の関係を求めることを目的とし, 多成分粒子群の流動・回分沈降過程として分級・成層状況を解明しようとする本研究において, 本年度に得られた成果は次のとおりである. (1)流動状態で成層している粒子群が上昇流速ゼロの時点に回分沈降を開始してから堆積にいたる過程を計算する方法を開発した. 計算結果は沈降開始時の成層条件が堆積状況に及ぼす影響が小さいことを示した. ただし, 密度の異なる粒子群について精度よい干渉沈降速度式が利用できないので, 実験値との照合はできていない. (2)既往のバルネア式とリチャードソン・サギ式では単成分流動層の正確な濃度を表現できなかったので, 活性炭, ガラス・アクリル粒子の三つを用いた実験に適合する形の濃度式を作成した. 次いで, 2成分粒子群の混合層内を擬似単成分層とみなすことによって混合層濃度式を作成し, ガラスと活性炭粒子による実験値と比較して, ほぼ妥当な結果を得た. なお, ここで作成した濃度式は, 単成分と2成分のいずれについてもレイノルズ数と抗力係数の関係で表現されており, 両者の関係は単粒子自由沈降における関係と同一であるという特徴をもっている. (3)上記の3種の粒子より成る3成分粒子群について粒径と上昇流速を変化させて得られたすべての成層化パターンは, 流動層全体の重心位置が最低になるという条件を満たしていることが示された. この条件を用い, また, 単独並びに混合層濃度が既知の場合について, 任意の粒子構成と上昇流速に対する成層化パターンを予測する方法を開発した. これによると, 3成分粒子群の流動成層化させたときには層数は3であり, かつ, 粒子種類の最大数は下層から順に3, 2, 1となる.
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