1987 Fiscal Year Annual Research Report
バイオテクノロジーを活用した人為的浄化における微生物の増殖制御に関する研究
Project/Area Number |
62550405
|
Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
須藤 隆一 国立公害研究所, 技術部, 部長 (70109916)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢木 修身 国立公害研究所, 水質土壌環境部, 室長 (40132865)
渡辺 信 国立公害研究, 水質土壌環境部, 主任研究員 (10132870)
森 忠洋 島根大学, 農学部, 教授 (20166359)
稲森 悠平 国立公害研究所, 水質土壌環境部, 主任研究員 (10142093)
|
Keywords | バイオテクノロジー / 排水処理 / 水質浄化 / 繊毛虫類 / 輪虫類 / 貧毛類 / 捕食作用 |
Research Abstract |
汚水の人為的浄化過程に出現する微生物(微小動物)の中で, 特に浄化と密接に関連する絨毛虫類, 輪虫類, 貧毛類などを優占的に増殖させる条件を見い出すこと, およびバイオテクノロジーで活用されている微生物固定化法(包括固定化法)において特定微小動物を定着させる方法を確立するための研究を実施した. 生物膜法および長時間曝気活性汚泥法において, しばしば優占種になるAeolosoma hemprichi(貧毛類)とPhilodina roseola(輪虫類)とを純粋分離し, 増殖速度と水温, pH, 塩濃度などとの関係を調べた. またこれらの微小動物の食性, 収率について実験を行った. これらの培養実験を通して, 貧毛類は凝集体摂食者, 輪虫類はろ過摂食者であり, 両者の共存が必要であることを証明した. これらの微小動物が排水浄化に果す役割を解明する実験として, 細菌(B)のみのB系, 細菌と貧毛類(A)のBA系, 細菌と輪虫類(P)のBP系, 細菌・貧毛類・輪虫類のBPA系を比較した結果, 上澄液の濁度はB系>BA系>BP系>BAP系となり, BAP系が最も清澄であった. また汚泥の固液分離能は, BP系, BAP系で高く, 汚泥発生量もこの二つの系で著しく低かった. ついで, 包括法では細菌が分散して処理水が白濁するので, これを防止するためのカプセル表面に絨毛虫類を定着させる法, および2段目に生物膜法を付加させて原生動物を増殖させる方法を検討し, 嫌気性条件を組みこむこと, BOD負荷を低下させることによって達成されることを証明した. 水のカビ臭は, 糸状性の藍藻類によって生産されるが, この糸状体を好んで捕食するIrithigmostoma cucullulusの純水分離に成功した.
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] 岡田光正,村上昭彦,寺薗克博,須藤隆一: 水質汚濁研究. 10. 741-748 (1987)
-
[Publications] Y,Inamori,R.Sudo: Water Science and Technology. 18. 209-216 (1986)
-
[Publications] 稲森悠平,松重一夫,須藤隆一: 用水と廃水. 29. 552-561 (1987)
-
[Publications] 稲森悠平,須藤隆一: 用水と廃水. 29. 764-772 (1987)
-
[Publications] 須藤 隆一: 月刊浄化糟. 137. 19-27 (1987)
-
[Publications] 稲森悠平,須藤隆一: 空気調和・衛生工学. 61. 447-457 (1987)
-
[Publications] 須藤 隆一: "微生物固定化法による拝水処理" 産業用水調査会, 290 (1988)
-
[Publications] 須藤 隆一: "微生物分類学1" 共立出版, 205 (1988)