1989 Fiscal Year Annual Research Report
軟らかな接合法としてのシ-リング材の構造的利用とその変形・応力伝達機構の研究
Project/Area Number |
62550414
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 亨二 東京工業大学, 工業材料研究所, 助教授 (40016829)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 肇 竹中工務店, 技術研究所, 研究員
橋田 浩 東京工業大学, 工業材料研究所, 助手 (20175532)
|
Keywords | シ-リング材 / ストラクチュアルシ-ラント / ジョイント / 接合法 / 変形 / 荷重 / 目地形状 / 目地寸法 |
Research Abstract |
1.二次元モデル試験体を用いた実験 昨年度までの成果をもとに、二次元立体構造物を軟らかな接合法で構成した時の力学挙動について検討した。試料はモデュラスの高いもの、低いものの2種とした。これらをパネル4枚の結節点に装着し、水平方向から加力し、荷重一変形を調べ、以下の設計に関する知見を得た。 (1)シ-リング断面と二次元モデル試験体の荷重一変形とは密接な関係があり、系全体として、大きな変形を期待するためには、シ-リング材の断面を大きくする必要がある。 (2)系全体の剛性を高めるためには、目地幅を小さくし、かつ目地深さを大きくする。 (3)シ-リング材自身のモデュラスも荷重一変形状態に大きな影響を及ぼし、モデュラスが高くなる程、系全体の剛性が高まる。 2.自由度の高い接合部材の提案 今までの知見をさらに発展させて、より自由度が高くしかも軟らかな性質をもつ接合部材を開発・検討した。これは円筒形のパイプに丸棒シャフトをシ-リング材によって固定したのもである。この接合部材は、任意方向への変形が可能であり、しかもある程度の軟らかさと剛性を確保している。本年度はこの接合部材の挙動を断面形状・寸法を変えることによりどの程制御しうるかを明らかにする目的で、軸方向圧縮・引張試験、曲げ試験、ねじり試験を行った。その結果以下の知見を得た。 (1)この接合部部材の自由度はシ-リング材の充てん幅を大きく、かつ充てん長さを短くすると高まる。 (2)充てん幅を小さくし、充てん長さを大きくすると剛性は高まるが、接合部安全性向上の観点からは、充てん長さを長くする方法のみを採用することが望ましい。
|