1987 Fiscal Year Annual Research Report
山地と平野の環境領域における地震動の特殊性に関する研究
Project/Area Number |
62550420
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
大場 新太郎 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (50079521)
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Keywords | 山地と平野 / 地震観測 / 表面波 / 山地と平野の境界領域 / 地震動特性 / 大阪平野 / 微動測定 / 微動特性 / 振幅 / 卓越周期 / 地盤構造 |
Research Abstract |
現在まで山地と平野において地震観測を継続し, 両者の地震動特性の相違について研究してきた. この間に見い出された山地周辺部から発し, 平野内部に向けて伝播する表面波は, 鉛直下方からの実体波に後れて平野内各地点に到達し, さまざまな興味ある減少を引き起す. この表面波の存在は, 山地と平野の境界領域における地震動特性に関して新たな知見を与えるものと考え, 本研究に取り組んでいる. 本年度は基礎的研究を主とし, 次の2点を実施した. 1.地震観測点の新設と観測 山地と平野の境界領域に地震観測点を1ヵ所新設し, 地震観測を実施している. 地震計設置跡, 大阪震度I以上の地震は1個のみで, まだ議論の段階に至っていない. 今後の観測記録の蓄積をまちたい. 2.大阪平野における微動測定 大阪平野において, 過去20年間に3回にわたり微動測定を実施してきたが, 今回新たに35測点において微動測定を実施し, 過去の測定結果を再検討すると同時に, 山地と平野の境界領域における微動特性について検討した. その結果, 次の事項が明らかとなった. (1)山地から平野に向けて500m感覚に7測点を設定して測定した結果, 山地から平野に向けて振幅ならびに卓越周期が明確に変化していく傾向を把握することができ, 下部の地盤構造との興味ある対応が得られた. (2)1秒を越えるやや長周期帯域については, 山地と平野内部とで振幅についての変化はあるが, 卓越周期の相違は認められない. しかし, 平野全体でみた場合, 卓越周期は4秒を基本に測定日によって変化し, 日によって2〜3秒に非常に優勢な周期が現れることがある. この卓越周期の日変化が注目される.
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Research Products
(1 results)