1988 Fiscal Year Annual Research Report
中層集合住宅における冬期の住まい方と結露に関する研究
Project/Area Number |
62550424
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Research Institution | HACHINOHE Institute of Technology |
Principal Investigator |
澤田 紘次 八戸工業大学, 工学部, 助教授 (90005372)
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Keywords | 中層集合住宅 / 住まい方 / 結露 / アンケート調査 / 温湿度実測調査 |
Research Abstract |
1.集合住宅における結露被害の実地調査(31戸) 結露被害を訴えている住戸では、いずれも黒いカビが発生して生活に支障をきたすものであった。結露が発生しているのは、(1)棟の東西端:押入及び壁面(2)断熱されていない梁型部分(3)最上階天井(4)各階の天井スラブの外壁寄りの部分(5)北側の部屋:非暖房室(6)外壁寄りの家具裏(7)窓:凍結して開かない、結露水が流下して畳を濡らすなどであった。住まい方の問題としては、総じて換気に対する意識が低いことで、換気口や窓の換気ブレスの存在さえ知らない人が多かった。乳幼児のいる住戸では、室内を高湿度にしている例が多かった。 2.温湿度測定調査 昭和63年1月から2月にかけて、6戸において各一週間、室内の温湿度の測定をした。全戸を通じて、室内が常識を越えた高湿度になっている例は無かった。使用暖房器具は、密閉型が3戸、開放型が2戸、半密閉型と開放型の併用が1戸であるが、その違いによる室内空気の露点温度の違いはほとんど無かった。台所では炊事のときと思われる温度と湿度の鋭い上昇が見られた。空気線図上にプロットすると、換気扇を回しているときと回していないときと識別できた。 窓上の壁・梁型部分が断熱されていないタイプの住戸では、この部分が結露の弱点となっている。このタイプの1戸で、結露、カビが、その梁型部分に発生していた。開放型のストーブを使用しているが、他の住戸に比較し、室内空気の露点温度は高くはない。しかし室温が7〜15℃と低く、このことが結露の要因となっている。同タイプの別の住戸では北和室の窓前にFF式ストーブを置き、襖・扉の全てを開放しており、北側の部屋の室温を高く保ち、非暖房室となる場所を無くしていた。結露対策上理想的な住まい方となっている。住まい方が、建物の弱点をカバーしており、この住戸では結露は発生していない。
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[Publications] 澤田紘次: 日本建築学会東北支部研究報告集. 第51号. 71-74 (1988)
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[Publications] 澤田紘次: 日本建築学会学術講梗概集(関東). 559-560 (1988)
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[Publications] 澤田紘次: 八戸工業大学紀要. 第8巻. 100-109 (1989)