1988 Fiscal Year Annual Research Report
学習形態の変容に対応した学校用かぐの寸法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
62550440
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大内 一雄 日本大学, 工学部, 教授 (00058752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若井 正一 日本大学, 工学部, 専任講師 (90120592)
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Keywords | 人体寸法 / 動作寸法 / 学校用家具 / 座具 / オープンスペース |
Research Abstract |
昭和63年度の実施計画にそって、主として次の7項目について検討した。それは、(1)普通教室用家具(机・いす)の使用状況の実態調査、(2)床座姿勢を矯正するための座具の検討、(3)床座の座位基準点と座卓の高さの検討、(4)普通教室用机の面積に関する検討、(5)学校に持参する荷物と収納場所の検討、(6)机の脚間の距離と狭さ感の検討、(7)学校用家具の歴史的変遷である。概要を記すと次のようである。(1)児童の体位と家具の寸法が適合しているかどうかの調査結果は、15年前の調査時より劣悪で、前回のときより大きないす・机が配当されていた。現場の教師あるいは担当者の意識向上、関心の喚起を期待したい結果であった。(2)床座の場合、殿部にある高さのかいものをすると、姿勢を矯正させられると同時に長時間の座りが可能となるので、児童についての実験を試みた。正座、胡座共に児童では、6〜8cmの高さが良好であることが判明した。(3)前項の座具を用いた場合、座卓の高さはそれにいす座位のときの差尺に相当するものを加えれば良いことが判明し、高さを求めるときの目安が得られた。(4)机の広さについては、授業中の使用状況と先生方の感想で調査した結果、何れの教科においても現状の机では5〜10cmの延長が望まれた。(5)最近の児童は、学校へ持参するものも増えたようであるが、それ以上の放課後に行く塾等への荷物も多く、そのために机間をふさぎ、指導上問題が認められた。しかし、学校に用意してある現状の棚類にも問題が認められた。(6)机が狭いという意識は、机の上のことばかりでなく、下肢が机の脚に当る不快感によるものもあるのではないかと考え実験した結果、女子では問題はなく、男子の高学年に訴えが多くなるような傾向が得られた。本年度当初の計画には含まれていなかったが、学校用家具の変遷について調べ、如何なるときに形態等が変化するかを、今後の参考のためにまとめてみた。
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[Publications] 大内一雄 他: 日本建築学会大会学術講演梗概集. 1987. (703-704)
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[Publications] 若井正一 他: 日本建築学会東北支部研究報告集. 49. 57-60 (1987)
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[Publications] 若井正一 他: 日本建築学会大会学術講演梗概集. 1987. (695-696)
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[Publications] 大内一雄 他: 建築雑誌(日本建築学会誌)11月号. Vol 102. 62-63 (1987)
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[Publications] 若井正一 他: 日本大学工学部紀要. Vol 29. 65-79 (1988)