1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550457
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中塚 勝人 東北大学, 工学部, 教授 (60005345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 源之 東北大学, 工学部, 助手 (40178778)
阿部 司 東北大学, 工学部, 助手 (50005310)
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Keywords | 流電電位法 / 地下き裂標定 / 高温岩体 / 地層比抵抗 |
Research Abstract |
将来の地殻エネルギー抽出技術の開発には, 地下き裂計測の技術開発が不可欠である. 本研究では, 流電電位法(Mise-a-la-Masse Method)を地下き裂計測に適用しその可能性を検討した. すなわち, 61年度に特別推進研究「深部地殻エネルギー開発のための人工き裂の設計に関する研究」において地下360mに作成された人工き裂を用い, き裂位置の坑井内に電流を流し隣接した坑井中の電位分布の測定結果からき裂位置の推定を試みた. 計測は, き裂が自然の地下水で満たされた状態と, 高導電率水溶液を圧入しき裂の付近のマイクロクラックや地層そのものへのしみ出しによってき裂に沿う部分の地層比抵抗を下げた状態の両者について実施し, 比較を行なった. その結果, き裂の発生した坑井内深度を中心に約30mにわたって電位異常が観測された. これらのデータをもとに, 二次元有限要素法によって, (1)自然地下水状態での電位分布を満足する地層の比抵抗分布の決定(2)高導電率水溶液の圧入によって生じた電位異常を説明できるき裂モデルの大きさと向きの推定を行なった. 比抵抗分布の決定に関する研究では, 地層比抵抗の大きさが大きく電位分布に影響すること, その影響する範囲は地表近辺にまでおよんでおり, 流電電極と電位測定電極の地上の対極の位置の設定にとくに配慮する必要があることが明らかとなった. き裂モデルの推定の研究においては, き裂の存在による電位異常の大きさはモデルパラメータ, とくにき裂の厚さ, しみ出し領域の厚さ, およびき裂の大きさに依存し, しみ出し領域の推定のために地層の浸透率を坑井内で計測する必要があることがわかった. 坑井ボーリング時のコア試験の結果を参考にこれらのパラメータに妥当な値を与えると, 坑井より半径10m以内に近づいたき裂は標定感度を有すると推定された. さらに詳細なき裂標定を行うためには, 三次元有限要素法解析を行う必要がある.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Sato, K.Nakatsuka and H.Yokoyama: SEG Ann. Meeting Exp. Tech. Prog. Abstr. Biogr., New Orleans. 62-65 (1987)
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[Publications] F.J.Llera, M.Sato,K.Nakatsuka and H.Yokoyama: SEG Ann. Meeting Exp. Tech. Prog. Abstr. Biogr., New Orleans. 62-65 (1987)
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[Publications] F.J.Llera, M.Sato, K.Nakatsuka and H.Yokoyama: SEG Ann. Meeting Exp. Tech. Prog. Abstr. Biogr., New Orleans. 43-46 (1987)
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[Publications] F.J.Llera, M.Sato, K.Nakatsuka and H.Yokoyama: Butsuri-Tansa. 40. 326-337 (1987)