1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550460
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐藤 博 秋田大学, 鉱山学部, 助教授 (00006694)
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Keywords | 沈降性スラリー / 堆積層の厚み / 水力勾配 / 一般式 / 堆積限界速度 / 輸送設計 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
スラリーの平均速度υが堆積限界速度υm以下に減少し続けると、堆積層の厚みが増大して流路の断面が縮小する。このときのスラリーの流れは、堆積層上の流路における流動として解析されるため、υ_d以下の輸送条件に対する水力勾配i_mの計算精度は、堆積層の厚みhの計算精度に大きく依存すると言える。 本研究では、前年度の研究をさらに進めて、「河川における懸濁粒子は河床に衝突して垂直応力を与える」というBagnoldの結果に基づき、υ_d以下のスラリー流動について理論的に考察し、輸送条件から計算できる堆積層の厚みの算定式を導出した。また、本研究課題の研究で得られた一連の研究結果を併用した。輸送設計上の計算手順を示し、定量的な堆積状況ならびに粒子の移動状況の把握が困難とされてきたυ_d以下の領域に対し、依頼度の高い数値シミュレーションが可能であることを示した。 なお、結論は次のように整理される。 1.フルード数Fr(=υ/√<4gR>;g;重力加速度、R:堆積層上の流路の水力半径)は、管径Dおよび粒子の物性値が一定のとき、堆積層の厚み比hr(=h/D)=0.2〜0.6の範囲で、吐出し濃度Cのみの関数として表わし得る。 2.堆積層が消失する瞬間の状態を相当厚みh=de/2(de:粒子の球等価直径)の状態で置き換えて堆積限界速度υ_dを計算すると、粒子径dが約1mm以上のときは現象を満足しないが、d>2mmの場合、Durandの結果にほぼ一致した結果が得られる。 3.輸送条件によって堆積層の厚みが変動することを考慮し、スラリーの平均速度υと水力勾配i_mとの関係を計算すると、臨界速度υ_cがυ_c<υ_dとなる結果が得られ、実用流連の設定は慎重に行なう必要がある。
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Research Products
(2 results)