1988 Fiscal Year Annual Research Report
Cu-Pt合金における規則度ゆらぎの発生機構と規則化過程
Project/Area Number |
62550478
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
桑野 範之 九州大学, 総合理工学研究科, 助教授 (50038022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板倉 賢 九州大学, 総合理工学研究科, 助手 (20203078)
松村 晶 九州大学, 総合理工学研究科, 助手 (60150520)
沖 憲典 九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (70037860)
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Keywords | 銅プラチナ合金 / 規則化過程 / 自由エネルギー / 速度方程式 / 規則合金 / 規則度ゆらぎ |
Research Abstract |
本年度は主として、Cu-Pt合金の規則-不規則過程について熱力学的な議論を進めた。まず、25at%Pt組成合金については、短範囲規則状態→L1_2あるいはL1_<2-S>への規則化過程の計算機によるモデル解析を試みた。合金糸の自由エネルギーをギンツブルグ型の展開式で表し、その式から規則度に関する速度式を得た。展開式に含まれるエネルギー係数は、平衡状態図を再現するように求めた。規則度に空間的なゆらぎを与え、それを初期状態とした。この規則度ゆらぎの成長発展が『規則化過程』である。糸の自由エネルギーの式に規則度波の波数に依存するエネルギー項を付加することによって、規則度の周期性がエネルギー減少に寄与することを考慮に入れた。この付加した項の大きさに依存して、L1_2型規則構造に転移する場合と長周期構造のL1_<2-S>となる場合とに区分されることをシミュレーションにより確かめた。次に、40at%Pt組成合金についてL1_1→(L1_1+A1)あるいはA1→(L1_1+A1)変態過程について議論した。この過程は、相解を伴うこと。L1_1化学量論組成(50at%Pt)からずれていることが、これまでの解析と大きく異なる点である。この組成の合金の自由エネルギーをギンツブルグ型の展開式で表すためには、全部で16個のエネルギー係数を決定する必要がある。そこで本年度は、組成に独立な6個の係数は50at%組成合金のデータを利用して決め、残りの係数は40at%組成付近の状態図をできるだけ再現するように決定した。これから、系の自由エネルギーを組成と規則度の関数として求め、L1_1あるいはA1単一相から(L1_1+A1)二相共存状態へ変態する過程を議論した。次年度は、ここで求めた自由エネルギーの式から速度式を得て、変態過程を計算機シミュレーションを行い、実験結果と比較検討する。
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