1987 Fiscal Year Annual Research Report
電気伝導度法による希土類-マンガン系酸化物の高温熱化学量測定
Project/Area Number |
62550486
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
大串 達夫 豊橋技術科学大学, 第5工学系, 助手 (70126928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高石 哲男 豊橋技術科学大学, 第5工学系, 教授 (30062425)
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Keywords | 不定比性 / 酸素分圧 / 熱力学量 |
Research Abstract |
1.LnMnO_3系(Ln=希土類)のペロブスカイト相の中で斜方晶系のものの生成条件を調べる実験を行った. 試料の合成は高純度Ln_2O_3(Ln=La〜Dy)とMn_2O_3とを等モル比に混合, 加圧成型したのちアルゴン中1325〜1525Kにて反応させる事により行った. このさい出発物質のストイキオメトリーの調整が後の実験に大きく影響を及ぼすので所定の前処理を行っている. Ln=La〜Dyの間でCe, Pmを除いて斜方晶系の単一相をX線にて確認している. この試料にpt電極を用いて四端子法にて電気伝導度を酸素分圧の関数として測定した. 酸素分圧測定装置は本申請者らによって製作したもので, その測定範囲は1273Kで10^5〜10^<-15>Paを精度良く測定できるものである. 本年度この装置によりいくつかの斜方晶系のものについてその相分解酸素分圧を温度1173〜1473Kの範囲で可逆性を確かめながら測定した. 更に別の酸素分圧測定装置を用いて熱重量実験を1273Kにて行った. 両者の分解圧は極めて良い一致を示した. 分解後の試料を急冷してX線法により相の確認を行ってこれらの斜方晶系については全て〔Ln_2O_3+MnO〕の2相となっている事を確認している. 従ってこれらの結果よりペロブスカイト相とこれら2相との分解(又は合成)反応の自由エネルギーが求まった. 即ち LnMnO_3(S)=1/2Ln_2O_3(S)+MnO(S)+1/2O_2(g) より算出できる. 又分解酸素分圧の温度に対するグラフの傾きよりエンタルピー変化が求まった. 現在斜方晶系のものについての測定はほぼ終りつつあり, 希土類イオン半径の減少とともに少しずつペロブスカイト相の安定性が減少してくることが見い出されつつある. なお, 実験を続行してこのことを確かめる予定であり, 更に六方晶系については次年度行なって同様の事実が存在するのかを求めて行く予定である. これらの結果については順次投稿の予定である.
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